幸福な食卓

父さんが自殺を失敗したときも、母さんが家を出たときも、朝は普通にやってきた。そして、その悲しい出来事のあとも…　－

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瀬尾まいこさんの本です。

ずっと気になっていて、でも買おうか買うまいか迷っていた一冊。
どうしても原作を読んでから映画を観たくて、そのままになっていて・・いつの間にか公開が終わっていたという・・。

ああ、でも瀬尾さんの描く物語って、何て温かいのでしょう。

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「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」

どんな時でも、全員が揃って朝食を食べるという習慣を持っている中原家。

だから父がこんな不思議な発言をしたのも、朝食の席だった。

母が家を出ると決めた時も、兄の直が大学を辞めて農業をやると決めた時も・・いつだって朝に知るのだった。

一見仲が良く、バランスの取れたように見える家族。

しかし梅雨だった５年前の出来事。

父が自殺未遂をおこした。
それから梅雨が来るたび、体調を崩す佐和子。
父とバランスが取れなくなり、家を出て一人暮らしを始めた母。

勉強でも何でもうまくこなしている兄が、何でも軽く考えているように見えて実は違うこと。
そんな兄を救ってくれる彼女、小林ヨシコ。

佐和子の毎日を明るくしてくれる彼氏、大浦勉学。

しかし・・バラバラになりかけていた家族が元に戻り始める。
ある悲しい出来事をきっかけにして・・・

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父が父を辞めるって、どういうことなんだろうとずっと思っていて。。
深い話でした。

それに、佐和子と付き合っている大浦君は、とにかく単純でいい子なんですよ。

だからあのラストはとてもびっくりして・・悲しかった。

でも、最後の最後に、大浦君がきっかけになって家族が再生していく様が少し書かれていたので、良かったのかもな。

図々しいと思っていた兄の彼女、小林ヨシコも・・実はいい奴だということが分かって。

とにかく温かい気持ちになる一冊でした。

瀬尾さんの本も極めたいと思います。
文体が柔らかくて読みやすい。

一気に読めちゃいますね。

そして映画を観なかったことを後悔しております・・