No-music.No-life

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パークライフ

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公園にひとりで座っていると、あなたには何が見えますか?スターバックスのコーヒーを片手に、春風に乱れる髪を押さえていたのは、地下鉄でぼくが話しかけてしまった女だった。なんとなく見えていた景色がせつないほどリアルに動きはじめる-

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吉田修一さんの、芥川賞受賞作品。
またまたるいさんからお借りした一冊です。

日比谷公園を舞台にした特に大きな事件も動きもないのだけれど、淡々としているようで妙にほっとする感じ。

好き嫌いが分かれるかもしれません。

だって本当に何が起こるわけでもないのですから。

表題作パークライフflowersの二編を収録しています。

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突然停車した地下鉄の車内。

てっきり会社の先輩が背後に立っていると思い込み、話しかけ様振り返るとそこには見知らぬ女がいた。
一瞬気まずくなる車内。
怪訝な表情の乗客たち。

しかしその女は、さも知り合いなのだとでも言うように自然に言葉を返してくれたのだ。


そんな女と日比谷公園で偶然に再会する。

咄嗟に追いかけた女に、一体何を言うべきだったのかが分からないまま交流が始まる。

たまに公園で待ち合わせたり、偶然に再会したりを繰り返すうちに少しずつ打ち解けていく二人。


何も起こらない日常をさらりと描いている一作です。

上手くいえないけど。

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Flowers

九州から妻と共に上京してきた石田。

そこで勤め始めた飲料水の補充・配送の仕事。
その職場で知り合った元旦という男との奇妙な交友。

職場の同僚の奥さんとの浮気。
深夜番組に出演したという話。
生け花をやっているのだという話。

つかめそうで掴めない元旦という男。

振り回されるでもなく、仕事やプライベートでも深くもなく浅くもなく交流があった。

しかし、ある時ふっと元旦は仕事を辞めてしまう。

その時の事を思い出す石田・・


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この話の意図が掴めないまま終わってしまいました。
いきなり怒鳴りだした元旦は一体どうしたのか?苛立っていただけなのか?

何故石田が元旦にあんなことをしたのか?

分からないことだらけです。

でも、奥さんと一緒にいるのが楽しいと言い切れちゃう石田は凄いと思いました。

奥さんの鞠子さんが結構好きでした。


う~ん。

でもこれで芥川賞というのは全く謎です。

最近の芥川賞は誰が取っても不思議ではないという力作揃いだけど、逆に「何でこれが?」というような作品が、芥川賞直木賞をすんなりとってしまうのだから、何だかやりきれません。