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ラスト・イニング

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「なんで、野球を捨てるんや」

「バッテリー」屈指の人気キャラクター・瑞垣の目を通して語られる、彼らのその後の物語-

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バッテリーの文庫版最終巻が、ようやく来月5日に発売になります。
図書館で借りて読んだ、単行本。
一気にはまって、文庫を買い揃えて・・。
それにしても、発刊ペースが遅かった。

待ちに待った最終巻。
ようやく1巻から読み直せる!と思っていたら、人に貸していたんですよ・・。
で、映画を観て思いのほか1~6巻までのダイジェスト的な感覚で観ることが出来たのでなら大丈夫だろうと読んでしまいました。

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原田巧・永倉豪の黄金バッテリーのいる新田東と、天才バッター門脇秀吾を中心に、強豪揃いの横手二中との再試合。

その試合結果は、6巻まででは語られることがなかったと思います。

今作は、その試合の直前の物語マウンドへととそれぞれ1年ずつ歳を重ねた試合後の「今」白球の彼方の二つの物語が収録されています。

巧と豪は中学2年に。門脇や海音寺、そして今作の軸となる瑞垣も高校1年生になっています。

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横手二中の天才バッター、門脇秀吾と幼い頃から慣れ親しんできた瑞垣俊二。

幼い頃、秀吾が何気なく握った棒をスイングした時-
あの一瞬に魅せられ、そして焦がれ抗い続けてきた俊二。

勉強も、野球も、何事もそつなくこなし、面倒くさいことを交わしながら望んできたこと。

それは・・

「秀吾の負けるところを見る」こと

だった。
新田東との試合で、原田は見事瑞垣の望みをかなえてくれた・・なのに。

うなされる夢。

横手二中の仲間達の、期待の声。

そういう全てのものから逃げるように、野球部のない高校へ進学した瑞垣の苦悩。
そして今まで語られる事のなかった胸のうちが鮮やかに描きだされています。

こうして内面にスポットをあてる機会がなかったら、ずっと瑞垣はひょうひょうと何事からもすり抜けていきながら、人と深く交わる事なく野球を捨てていたのかもしれません。

野球を続けることを元監督も、妹も、秀吾も、仲間達もが望んでいる中・・
瑞垣の出した結論とは・・・?!

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私としては、やはり巧と豪の視点で見ているのが好きなのですが・・
瑞垣の視点から見るという今作も、なかなか興味深かったです。

「あの試合」のその後。
成長した彼らの苦悩。

更に門脇の進路の決断には、やはりそうきたか・・という気持ちにもなりましたし、面白かったです。

瑞垣は、本当に自分の気持ちに気付かぬふりをしてきた人間だったんだなあと思ったり。
妹との掛け合いは微笑ましかったし、個人的に海音寺は好きなので妹とどうなるのか?とか気になりますし(笑)

6巻をまだ読んでいない人がいると申し訳ないので、深くは書きませんが。

久々のバッテリーは、やっぱりいいですね!

まだ続けられそうな感じなんですが、あさのさん・・もっと続編書いて下さい!
気になります☆

それにしても3月になって本を読んだのは、これが久々の1冊になってしまいました・・。
毎週面接の日々でしたからね・・。