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青空チェリー(単行本版)

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図書館に置いてあるはずなのに、なかなか返してくれない人がいて・・
ずっと待っていた一冊。

一回読んだことある?
いやいや、文庫版とは内容が若干違うのですよ。

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表題作「青空チェリー」と「ハニィ、空が灼けているよ」については一度記事にしているのでどうぞ↓
青空チェリー

文庫では、
青空チェリー・誓いじゃないけど僕は思った・ハニィ空が灼けているよ
の三編が収録されていました。

青空チェリーはそのままなんですが、誓いじゃないけど~は単行本のなけないこころと同じ題材を男の子の主人公の視点で書き上げたもので、ハニィ~に関しても、単行本の内容を大幅に加筆修正したもの・・ということらしく、ずっと読んでみたかったのです。

でも、文庫の方が内容は良かったかなあと正直思ったりします。

読んだのが結構前なので、どのへんを加筆修正したのかが分からなかったし(でも、ハニィについては
題材と独特の焦燥感は健在で読み返してもやはり切なかった)、なけないこころも何を言おうとしているのかが分かりかねる内容でした。
それならば「誓いじゃないけど~」の方が感情移入できたかな、という感じ。

今回はなけないこころについて。

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たった一人好きだったと思える相手に12歳の時出合った裕子。
郷里を離れて5年。
未だに彼を忘れられずにいる自分について考える。

そして、成人式が目前に迫り再会するその日の為に変わった自分を見せること、そして彼の脳裏に刻み付けることを目標としてナンパされた男と友達(肉体関係つき)関係になり、様々なことを教えてもらおうと決めたのである。

話は主に、そのナンパしてきた相手カズキとの馬鹿みたいな関係と、忘れられない相手との思い出話を交互に展開されていきます。


う~ん。
体の関係を持ってしまえば、好きな人を手に入れられると単純に思ってそのテクニック(!)を学ぶべくナンパしてきた3股男と友達(肉体関係つき)になるという展開の割には、最後が爽やか過ぎるような。

まあ、思うようにはいかないってことでしょうか。

それにしてもこの話はちょっと・・微妙でした。

だけど、読み返した「ハニィ~」がやはり素晴らしかったので良しとしましょう。

でも、デビュー作を改めて読んでみると今の豊島さんの成長ぶりもよく分かります。
そういう意味で、とても興味深かったです。