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BAD KIDS

イメージ 1

20歳も年上のカメラマンとの関係に苦悩する都は高校の写真部長。彼女が絶好の被写体と狙いをつけた隆之は、ラグビー部の同性のチームメイトに秘かな恋心を抱いていた。傷つき悩みながら、互いにいたわりあうふたり。やがて、それぞれに決断の時を迎える。愛に悩み、性に惑いながらもひたむきに生きる18歳の、等身大の青春像をみずみずしいタッチで描く長編小説-

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村山由佳さんの本です。

今年は、村山さんの本を沢山読もうと思っております。
でも、この内容がちょっと突拍子もないのでは?と思って手をつけずにいた1冊でした。

だけど。。

読み終わって感じる、この焦燥感・・。
何処までも悲しく、救いがなくて。
この二人は一体何処にたどり着くのかな?と思うと、あまりにもその先が見えなくて悲しくなってしまいました。

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物語は、二人の高校生の語りを軸に進んでいく。

写真部として、文化祭の時に突拍子もない写真を展示したことで、もう何度目かの謹慎になった都。
その都の、絶好の被写体がラグビー部の隆之だった。

都が、とある隆之の一瞬を写した写真を撮ってしまったことで、二人は接点を持ち始める。

お互いが、言えずにしまってきた想いを打ち明ける。

20歳も年上のカメラマンとのどうしようもない関係を断ち切ろうと、写真を展示しようと決意した都。

同じラグビー部の同性、宏樹にあろうことか恋心を抱いてしまった隆之。
誰にも打ち明けられず、無論本人に言うことなど絶対に出来ないこの気持ちを、誰にも知られまいと日々を過ごしてきた。
しかし、そんな想いが外に出た一瞬を、都は写真に収めてしまったのだ・・。

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それからは、付き合っている訳でもない、体を重ねた訳でもない。
友達でもなく。だけど、恋人でもない。

「同類」の二人は、いつしかお互いの存在が当たり前のものになっていく。

忘れたくても、その想いとは裏腹に20歳年上のカメラマンを欲してしまう都。
宏樹の彼女が実は死んだ兄の婚約者であったことを知りながら、黙って宏樹の恋の相談を受けている隆之。
その想いは、日増しに強まっていく。


そんな中、都は別れを告げたはずのカメラマンを家に招き入れてしまった・・。
そして・・

彼女との仲を誤解した宏樹に、思わず伝えてしまった隆之の想いの行き先は・・

ピアノの旋律だけが、優しく響き渡る-

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同性愛?とか思うと、どうしても興味が持てなかったのですけど・・。
そういう類のものではないですね。

ここまで切なくなる話は、やりきれないです。

何でお互いが一番近い存在であるのに、都と隆之が男と女として一緒にいられなかったのか?
と悲しく思います。

そうなれたなら、きっと全ては上手くいっていたのだろうに。

切ないです。