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一瞬の風になれ① イチニツイテ

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春野台高校陸上部。とくに強豪でもないこの部に入部した二人のスプリンター。ひたすらに走る、そのことが次第に二人を変え、そして、部を変える―。

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地元の本屋で散策していると・・

私の好きな作家。

佐藤多佳子さんの新作(4年ぶりらしいです)が発売されていました。
しかも、3ヶ月連続刊行らしいので。

3冊も買うのか~
だるいなあ、
とか思っていたけれど・・。

いやいや、面白い。

極端に球技が嫌いな私(野球は見るのは好き・高校野球とか学生の野球はいい)には、とても読みやすく想像しやすくてよかったです。

今作は、高校生二人の主人公の陸上をテーマにした物語です。

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物語は、主人公・神谷新二と昔からつるんでいる・一ノ瀬連が軸になって展開されていく。

新二は、天才的サッカーの才能を産まれつきもった兄を、尊敬している。
だが、兄は「自分が出来ることは、誰にでも出来る」と考えている人で、いくら練習してもサッカーの腕が上達しない新二を不思議に思っている。

皆よりちょっとは上手くて、居残りして練習しても、本番に緊張して腹を下して本調子を出せない、なんてことは多かった。

ボールなんてなけりゃ、お前、もっと速いのに

中学まで続けてきたサッカー。
本当に自分がやりたいものなのか?
いつも疑問に思っていた。

兄が通うサッカーの強い高校には入れず、自分で決めた春野台高校に入学する。

・・体育の授業で最初に行ったのは、50メートル走だった。
連と一緒になり、思い切り走る。

連の背中だけが見えた。
ぐんぐん引き離されていった。

しかし。。
5秒台という記録を出し、ひょんなことからクラスメイトの根岸に陸上部に勧誘されることとなった。

中学の時、全国7位の記録を叩き出したにも関わらず、ひょいと退部してしまった連も、新たに陸上部に入る事に決めたようだった。

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顧問の先生、三輪先生は最初は掴めない不思議な人だと思っていたが・・

下半身に強烈なバネがあって、球技が苦手なタイプはスピード競技で大成するんだ。スプリントの王者になれるかもしれねえぞ

その言葉に、嬉しさとやる気を感じた。

初めての試合、
リレー

爽快感。
いつもの緊張もあるけど、違う。。
風をきって走る、バトンを渡す・・

もっと早くなりたい。
連のように綺麗なフォームで、早くなりたい。

ひたすらに練習をする。

そして新人戦へ・・

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上達するためには、人より倍以上の努力も惜しまない新二。
走るのは好きだけど、練習が嫌いでサボり気味の連。

なのに、連のほうが速く、綺麗なフォームで走る。

悔しい。
でも、追いつけない。

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何でも簡単にこなしてしまう兄と友達がすぐ近くにいるのってどんな気持ちだろう?

今日、ちょっとあって
つくづく「自分って、とりえも何もないな」と実感したばかりだったので。

新二に共感してしまった。

こいつは、絶対もっと早くなりそうだね。

2巻は、今月発売予定。