No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

夏と花火と私の死体

イメージ 1

そして私は-死体になった。

九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく―。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか?死体をどこへ隠せばいいのか?

第六回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞作。

乙一さんの衝撃のデビュー作です。
友人に薦められるがまま、乙一さんの作品を読み始めました。
乙一さんは、ジャンプノベル作家として活躍し、今では「ZOO」という作品が映画化するなど、多才な才能を存分に発揮した活躍をしていらっしゃいます。

何よりこの方の作品の凄い所は、最後の最後まで犯人が特定出来ないこと。謎が解けないことでしょうか?
普通の物語にありがちなストーリー展開では出来てしまう「あ、絶対コイツが怪しい」だとか「この話はきっとこういう風に終わる」などというような安易な予測などできやしないのです。

驚くべきこととして、これがデビュー作だというのです。
若干17歳にして書いた作品が、これだというのですよ!
読んでみれば分かります。この気持ちが。

物語は幼い兄弟達に殺されてしまった「私」を軸に展開されていきます。
そうです。
死んでいるはずの「私」が語っていく物語なのです。
そんなスタイル、今までにあったことがありますか?

殺してしまった「私」の死体をどうやって隠すのか、見つかってしまうかもしれない・・不安でいっぱいの「妹」と、冷静沈着な「兄」

ラストではきっと驚くことは間違いありません。
さりげない細部の設定やストーリー展開にも気を配りながら読んでみて下さい。