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風に舞いあがるビニールシート

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愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々を、今日も思っている。自分だけの価値観を守って、お金よりも大事なものを持って生きている―――。

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森絵都さんの本です。

新作ということで、迷わず買ったのですが。。

私的には、難しいな。という印象。

児童書から森さんの作品に慣れ親しんでいた私にとっては、この作品はやはり「大人向け」なのでありました。

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器を探して
犬の散歩
守護神
鐘の音
ジェネレーションX
風に舞いあがるビニールシート

6つの短編です。

面白かった短編の感想を。

器を探して

クリスマス・イブの朝、突然「美濃焼の器を探しに行ってくれ」と頼まれた弥生。

パリの某有名洋菓子店にて5年の修行を積み、自由が丘に自分の店をかまえられる程の資金を持ち合わせていたお嬢様、ヒロミと仕事をするようになったのが始まりだ。
弥生が食べたヒロミの作ったケーキの、そのあまりの美味しさに、思わず泣けてくる程だった。そんな味が幸福だと思った。

弥生は洋菓子職人を目指して製菓学校へと通った。
でも、そんな夢はヒロミの絶対的な才能の前では打ち砕かれていった。

その味は、世間へと認められていく。
自由が丘の小さな店から、青山の新店舗へ。
そして、弥生はヒロミの味の後継者ではなく、日々の仕入れ・売上げ管理・備品チェックなど・・の仕事を任されるようになっていった。

メディアで大きく取り上げられ、味だけではなくヒロミ自身が媒体でよく見かける程に知られていった。

ヒロミは、突如弥生に無茶な注文をする。
クリスマスイブの朝。
恋人から結婚を申し込まれるはずだったその日に-

そして弥生は恋人を選ばず、仕事を選んだ。
ただひたすらに美濃焼の器を捜し求めて・・・

ついに・・・

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何だか、本業よりも芸能人的な感じで目立っている人っていますよね?
何だかなあと思います。

この話に出てくる「ヒロミのケーキ」を食べてみたいです!


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守護神

裕介は求めていた。

大学を確実に4年で卒業する為に。

古典文学のレポートを代筆してもらうことを。

大学内で知る人ぞ知る「ニシナミユキ」という存在。

国文の代筆の達人と噂される彼女は、実在の人物なのか?
噂が尾ひれをつけて、どれが本当なのかはわからない。

しかし・・「ニシナミユキ」は存在した。

ようやくアポをとり、果敢に代筆を頼もうとしたのだが・・結局断られて終わった去年。

その失敗をバネにして、今年もまた「ニシナミユキ」にレポートの代筆を頼んだ・・

しかし裕介は、レポートの課題を自分なりに分析していた。
なのに何故?
代筆を頼む必要があったのか?

その以外な理由とは?

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女遊びが好きで、フリーターの30歳・・

と聞いた時点で私は勘違いをしていました。
後半につれて、「え?!」という驚きが。


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他に若い世代と昔若い世代であった男性二人のとある一日を描いた「ジェネレーションX」も面白かったですね。

そのほかは、ちょっと(自分が馬鹿なせいかもしれないが)難しかったかなあ。
図書館で借りて読むくらいでも良かったかも、などと思ってしまったので。