No-music.No-life

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非・バランス

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1つ、クールに生きていく。2つ、友だちはつくらない。そう心に決めていた中学生の私の前に、不思議な一人の女性があらわれた。彼女こそ、理想の大人だと思う私の毎日は少しずつ変わっていくが…。

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魚住直子さんの本です。

これは児童書の類であり、図書館の児童書の棚の中でも他の物とは違う存在感があった。
私はそれを迷わず手に取り・・

文庫化しようやく手元にきたのです。

単行本を読んでも、どうしても頭の片隅から離れなかった作品。

また、こうしてもう一度読めることが嬉しいです。

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主人公のわたしは、小学校時代に些細な事でイジメの標的になってしまった過去を持っている。
夜な夜ないじめられていた過去の悪夢にうなされる。
いじめっ子に、無言電話をかけることでしか仕返しが出来ない・・・

そんなわたしの中学校生活でのモットーは

①クールに生きていく
②友達は作らない

だった。

一人で生きることが自分のモットーと決めてしまえば、たとえ友達がいなくても、一人でいても、クラスからは浮かない。
上手い方法を考えたのである。

そんなわたしが、クラスでうわさされるミドリノオバサンという人物(全身を緑色に染めたおばさんの「緑色」の部分に触ると願い事が叶うという・・)
とある女性を偶然見間違った時・・

「タスケテ・・」

と呟いたことから物語は始まる。

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その女性は、ピンチの時に必ずわたしを救ってくれた。

名前を「ハヤシモトサラ」と言った。

服飾関係で働くサラさんを、デザイナーだと思い込んだわたし。

いつもやさしいサラさんは、その話をすると酷く鋭い目をした。

それ以外では、海へとつれていってくれたり、社販につれていってくれたり・・
とてもやさしいサラさんだったが・・

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いじめっ子へと立ち向かう勇気をくれたのはサラさん。
友達を作らない、というモットーも一部変更したきっかけも・・もちろんサラさんのおかげだ。

事態は、いい方向に傾いていったように思えたが・・。

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パソコンが壊れていた為、読み終わってすぐに記事に出来なかったのです。

主人公とサラさんの出会いが、よくも悪くも二人の変わるきっかけをもたらしていくんです。

デザイナーの夢を追いかけてきたサラさんの無念も、あんな形だとちょっとやりきれないです。

ミドリノオバサンが何だかずっと印象に残ります。

でも、このミドリノオバサンの噂がなかったら、二人は出会えなかったのかもしれないですね。