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The MANZAI ②

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文化祭を笑いの渦に巻き込んだ『漫才ロミオとジュリエット』から半年、瀬田歩と秋本貴史にとって中学最後の夏がきた。歩は、夏祭りで漫才をやろうと誘う貴史に対し、断固拒否の態度をとり続けている。一方、貴史の幼なじみ・萩本恵菜への思いはつのるものの、進展はない。そんな中、恵菜をめぐってある「事件」が勃発した――


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あさのあつこさんの本です。

待望の二巻です。

一巻は、以前に図書館で読んで、更に文庫化してもう一度読んだのですが、文庫の方が挿絵があるわけではないので、手に取りやすいし読みやすいかもしれませんね。

そんな「The MANZAI」二巻は、相変わらず期待を裏切りません。

一巻で見せた、歩と秋元の絶妙なかけあいは二巻でも変わりません。

時が過ぎ、中学三年の夏。
クラスこそ離れてしまったものの、秋元は相変わらず歩にアプローチを続けている(勿論漫才をやらないか?という誘いだ)

なんでも、夏祭りのステージで漫才をやってくれないか?という誘いがきているという。

しかし、誰かと関わること、踏み込むこと。自分を見せることを避けている歩は、断固拒否の姿勢をとり続けていた。

そんな中、学校一の美少女萩本恵菜をめぐってとある事件が起こる。

学校一の美少女である。
男女問わずその人気は高い。

そんな彼女に、歩と同じクラスの頭が良く格好良い来管が恵菜に告白し、見事に振られた事を知る。恵菜は、秋元を一途に想い続けているのだ。

自分に自信のある来管は、恵菜に振られた事実を受け止めきれず「秋元のどんな所が魅力なのか?」と歩に問う。
だんだんと秋元の陰口を叩く来管に、歩は思わず言い返してしまった。

「来管くんじゃだめなんだ」

・・・

次の日だ。

何故か恵菜の靴箱に、ウシガエルが入れられていた-?!

それから、『ゲロゲロ事件対策本部』が設置され・・・

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相変わらず、あさのさんの描く少年たちの魅力的なこと!

美少女なのに飾らない恵菜も素敵だし、何よりやっぱり秋元と歩がいい!

漫才をやる話なので、二人のやりとりが面白いんですよね。

歩は秋元のペースにのるまい、のるまい・・と思っているのに、乗ってしまうんですよね。
その話のテンポのコミカルさ。

読んでいて本当に爽快なんです。

人と距離を置いていた歩が、仲間たちとつるんでいる時に感じる気持ちに、だんだんと変化が出てきて読んでいるこっちまで温かくなってしまいます。

歩みたいな存在って、多分クラスに一人二人いるような存在だと思いませんか?
あまり目立つタイプじゃなくて、少し気弱でオドオドしている男の子。
(まあ、女の子バージョンだったらまんま自分と一緒なんですが・・)

そんな存在なのに、「特別」だと言ってくれる相手がいるだけで(それが同性からであっても)嬉しいものですよね。

何だかとても温かくなって、考えさせられて、素敵な一冊です。

次は3巻も出るみたいですが、この文庫シリーズではいつ出るのでしょう。
楽しみです。