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おやすみ、こわい夢を見ないように

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新婚夫婦、高校生カップル、同棲中の恋人たち―あなたの気持ちをざわざわとさせる衝撃的な7つのドラマ-


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角田光代さんの本です。
しばらく読んでいなかった気がします。
角田さんの本を読むのは、とても久しぶりでした。

ゆうきさんのブログで、この本を紹介されていて・・その記事を読んで、読んでみたいと思っていました。

そんな時、たまたま図書館で角田さんの本を探していると、発見しました!

しかもこの本って、2006年だから・・最近発売されたものなんですよね?
よく図書館に置いてあったなあ。

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「悪意」をテーマにした、7つの物語。


このバスはどこへ ・・・殺したいほど憎い相手はいますか?
スイート・チリソース ・・・熱心すぎる母の教え。夫との些細な諍い。
おやすみ、こわい夢を見ないように ・・・ぶっころしてやりたい相手への殺人計画。
うつくしい娘 ・・・娘と腕を組んで買い物に行くという願望・・その思いは脆く崩れていく。
空をまわる観覧車 ・・たった一度の浮気で、妻からも浮気相手からも呪われているようだ。
晴れた日に犬を乗せて ・・周りから思われている顔と、本当の自分というのは、別物である。
私たちの逃亡 ・・・「死ねって感じ」二人の言葉の重さというのは、違っていたのだろうか。


タイトルだけを見れば、爽やかな物語か?と思っていたのですが・・(そもそも、「悪意」をテーマにしているっていうのを知らないで読んでいた)
何だか少し肌寒くなる恐さを感じました。

オカルトや宗教、心霊ものでも殺人ものでもない。
なのに、実際にさりげないところで、何処か知らない場所で起こっていてもおかしくないんじゃないか?と思わせるような物語たち。

『このバスはどこへ』では、昔先生から過剰に嫌われ、いじめの対象になった主人公が、この状況に矛盾を感じながら・・「殺したい」という思いが生まれるというストーリーが描かれていますが・・・

昔、中学の時にそういう対象になったことは何度かあって(先生から好かれない生徒だった)でも、殺したいとは思わなかったな。

高校のクラスメイトに、「殺したい」と思ったやつはいたけど。
あとは、「のろってやる」っていう人間ならいたけども。

『おやすみ、こわい夢を見ないように』は、高校生の女の子が主人公。
最低の男と付き合ってしまったばかりに、執拗に繰り返される嫌がらせに、毎日耐え続けてきた。
しかし、とうとう我慢の限界を感じる嫌がらせを受け・・
一番軽い罰で済むように、その男を殺せる方法はないかと考える。

そして、殺人計画は引きこもりの弟と共に入念にねられていく・・

角田さんの描く高校生の女の子が結構好きなので、この話は読みやすかった。
最後には、ちょっと感動したりして。

あとは、『私たちの逃亡』がちょっと恐かったです。
人間って、悪意だけの塊になったら終わりなのかもしれない、と思いました。

適度に吐き出していかないと、駄目なんですね。