少しずつ、少しずつ、歩いていこう。楽しいことも悲しいことも、みんな大切な家族の時間とひらかれてゆく青春の息吹-
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島本理生さんの本です。
初めて島本さんの本を読むきっかけとなった本でした。
古本屋で見つけたとき、早速購入したものです。
一度読んだときの感想は、「う~ん。読みやすいけど・・・」
という、ちょっと期待外れだったなあという印象でした。
という、ちょっと期待外れだったなあという印象でした。
しかし、もう一度読み直してみるとどうでしょう。
それだけ歳を重ねてきたせいもあるかもしれないのですが・・
こんなに温かい小説があるでしょうか?
主人公「ふみ」の周りにいる人間。
母親、父親違いの妹、ボーイフレンド、書道教室の先生・・
誰もが優しく、一瞬主人公の取り巻く環境が決して一筋縄ではいかない複雑さなのに、分からなくなる。
幸せのかたちというのは、本当に様々なものだと思う。
でも、この主人公には、きっともっと幸せな瞬間が訪れるのであろう。
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主人公・ふみは、高校を卒業したものの、家庭の事情ですぐには大学に通うことが出来ずに一年見送ることを決意し、アルバイトと家事、妹の世話などをしながら毎日を過ごしている。
家には三人で暮らしている。
母親、ふみと、妹。
妹とは、父親が違うので全然似ていない。
しかし、家の中でそれを気にするものはいない。
しかし、家の中でそれを気にするものはいない。
突然、母の勤め先の院長が夜逃げをし、ふみはティッシュ配りのアルバイトを始めることになった。
一方母も、別の整骨院へと勤め先が決まった。
そして、たまたま治療のために整骨院へきていた周との出会い。
キックボクシングをやっているという彼は、一つ年下の、温和な性格の持ち主だ。
ほどなく、ふみと周は知り合い色々な場所へ二人で行ったり、話をしたり少しずつ距離を縮めていく・・
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特に、大きな展開があるわけではないんです。
だから・・なのかな。
だから・・なのかな。
惜しくも芥川賞の候補になったのに取れなかったのかな・・
何か、この本は・・
大人になって読むといいかもしれません。
大人になって読むといいかもしれません。
忘れかけていた家族の優しさだとか、何かとても優しい気持ちになるんですよね。
何だろうな。
ろくでもない親父をもっていて、別居して会ってもいないのに、それでも何かに期待してしまう・・
というような内容があって、ほんとに今、自分もふみと同じ状態であるから、変に共感を覚えてしまいました。
ろくでもない親父をもっていて、別居して会ってもいないのに、それでも何かに期待してしまう・・
というような内容があって、ほんとに今、自分もふみと同じ状態であるから、変に共感を覚えてしまいました。
最近、文庫化しましたね。
ぜひ読んで欲しいですね。
でも、やっぱり「シルエット」と「生まれる森」も好きなんですけどね。