初めて知った恋の深い痛みと、ゆるやかな新生-
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島本理生さんの本です。
昨日記事にした『シルエット』の次に出された本です。
島本さんの20歳の時の作品だそうです。
島本さんの20歳の時の作品だそうです。
相変わらず、恋愛のほんの些細な出来事も澱みなく綺麗で時に残酷で・・・正直な言葉で島本さんは物語を形成しています。
日常の世界にも、転がっているような恋をすることによって生じる痛み。
あまりにも現実的で、とても切なくなる。
あまりにも現実的で、とても切なくなる。
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主人公、野田は子供を中絶した過去をもっている。
そして、予備校通をする中で、予備校の先生をしていたサイトウさんとの淡い恋。
体の関係もなく、ただ傍にいてほしいと言われるまま、サイトウさんの傍にいつづけていた野田。
体の関係もなく、ただ傍にいてほしいと言われるまま、サイトウさんの傍にいつづけていた野田。
しかし、いつしかサイトウさんの傍にいることに重圧を感じはじめた。
そばにいると苦しくてたまらないのに、離れようとすると大事なものを置き去りにしているような気持ちになった
別れ。
自分の気持ちだけが、まだ何処へいっていいのか迷っていて、前に一歩も進めない状態のまま日々は過ぎていく。
大学の夏休み。
同じ学科の加世ちゃんが、実家に帰るのと同時に、それまで空いてしまうアパートを借りて住まわせてもらうことになった。
そして、高校の同級生だったキクちゃんから、自分たちの家族と一緒にキャンプに行かないか?と誘われる。
長男の雪生、次男の夏生、その父と加世、野田。
キャンプに行き、それからキクちゃんと雪生の交流はどんどん深まる。
雪生とのほのかな恋。
キクちゃんとの友情。
キクちゃんとの友情。
未だ残る、サイトウさんへの想い。
日々はゆっくりと過ぎていく。
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少しずつ、それでも真っ直ぐに過去と向き合って気持ちを整理して答えをみつけていこうとする主人公の強さに、共感してしまいます。
島本さんは、そういう恋をしたことがあるのかなあ。
ずっと根底に変わらない想いがあって、他に誰かを好きになろうとも、好きだけど、どういった意味での「好き」だとは分からない想いを抱いてしまうのだろうか。
何となく、共感できる部分がどこかしかにあるので・・
少し切なくなりながら読み進めてしまった。
少し切なくなりながら読み進めてしまった。
この本は、図書館で借りて素敵だなあと思ったので、購入に至ったものです。
バレンタイン前に、淡い想いを取り戻してみてはいかが?