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麦の海に沈む果実

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「ここに三月以外に入ってくる者があれば、そいつがこの学校を破滅に導くだろう」―湿原の真中に建つ全寮制の学園に、二月の終わりの日に転入してきた水野理瀬。彼女を迎えたのは、様々なしきたりや、奇妙な風習が存在する不思議な学校だった。彼女と学校生活を共にする仲間、「ファミリー」もそれぞれに謎を抱えていた。功は、閉ざされたコンサート会場の中から失踪し、麗子は、湿原に囲まれて外に逃げ出せないはずの学園から消えうせていた。残りのメンバーは、麗子はすでに死んでいるのではないか、と校長につめよる。それに対し、校長が提案したのは、麗子の霊を呼び出す交霊会の実施だった。その場で理瀬に奇怪な現象が襲う-

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恩田陸さんの本です。

おなじみのゆうきさんからのお薦め本です。

前回『三月は深き紅の淵を』を薦められて読んだ時、第四章の話がこの本に繋がっていると聞いて楽しみにしていました。
図書館に幸い借りられずに置いてあったので、早速借りてきました。

読み始めてみて、厚い本なので、またまた読み終わるのか不安を持っていました。
でもそんな心配はご無用。

面白くて、次の展開に期待して、どんどん読めてしまいました。

『三月は~』では、語られなかった裏の部分を深く濃く、丁寧に描いているのでとても満足しています。

ただ、ラストがいささかテンポが早すぎて私は一度読んだだけでは分からず、もう一度読み直してしまいました。

一言で言えば、恐いです。この学園。
色々なものが絡み合いすぎて・・恐い。

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主人公、理瀬は二月の終わりの日に、とある学園に転入してきた。
閉鎖的な空間。外との電話連絡は一切禁止されているが、規律を守ればやりたいことを自由にできるという。
しかし、この学園、周りの人物に何か違和感・・不信感のようなものが消えない理瀬。

この学園は、3月の国。

「3月以外に入ってくる者があれば、そいつがこの学校を破滅に導くだろうと言われている」

理瀬は、何故2月の終わりの日にこの学園に転入することになったのか?

失踪したもの、殺されたもの・・
次々と事件が起こる中、少しずつ真相が解明されていく・・・

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最後、まさか・・
と思っていたら、意外な人物が・・という感じですね。

でも、面白かったです。
そんな陳腐な感想で申し訳ないですけどね。