深夜のガソリンスタンドに届けられた一通のフシギなラブレター。
第39回文藝賞受賞作。
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中村航(ナカムラコウ)さんの本です。
最近気になっている本で『100回泣くこと』という本があるんですが、その本の著者がこの中村航さんなのです。
しかしその『100回泣くこと』は、あまりいい評判じゃないようで。
セカチューが好きな人はきっと好きだろうという内容らしい。
『世界の中心で、愛をさけぶ』の本は、持っているけれど、物凄く好きな訳でも、決して大嫌いという訳でもないわけなのであります。
ならば、多分『100回泣くこと』だって、嫌いじゃないとは思うのですが・・
話の筋というか、内容がいかにも本の紹介文で分かってしまうような感じなんですよね。
大切な人を失う悲しみ・・みたいな。
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で、この作品はどうなのよ?と。
でも、いつもお薦めの本を教えてくれるゆうきさんが薦めてくれた本なので、期待して読みました。
この本は、ぱっと見、あらすじを読んだだけでは全く予想が出来ない本でした。
とにかく読み終わって思った率直な感想。
〃覿鼻⊆膺邑?寮蟻里楼貘痢
▲謄鵐櫃いい。他のどんな本よりも群を抜いて読みやすさがあった。
7詼?砲舛腓辰畔足りなさが・・
という感じでしょうか。
主人公が一緒に暮らしている姉さんは本当の姉ではなく、明らかに諸事情により一緒に暮らし、姉弟という関係になったであろうこと。
本当の名前ではなく、弟としての名前でガソリンスタンドのアルバイトを始める。
そこでとある女の子から不思議なラブレターを渡される。
あらすじとしては、そんな感じです。
特に大事件が起こる訳ではないんだけど、日常がとても色鮮やかに綴られていきます。
最後の最後で、「主人公の本当の姿」(第三者の出現などで)が少し見えてくるんだけど、深く触れてくれないのがもどかしくて。
一体、どういう理由で今の状態に落ち着いてしまったのか?
とか。
気になることだらけでありました。
好き嫌いが分かれる感じなんだろうなと思いました。
嫌いではないけど、物足りないなあ。
でも、こんなにテンポ良く紡がれる言葉たちに驚いた。
これは、才能ですね。
他の作品も、少しずつ読んでいきたいと思っています。
ゆうきさんお薦めの「ぐるぐるまわるすべり台」も気になります。
余談ですが。
この本の表紙の絵を描いている人、ゴーイングのCDジャケットの絵を描いている人と同じみたいです。
何処かで見たようなタッチの絵だなあとは思ったけど、何だか嬉しいですね。