ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。
三崎亜記さんの本です。
メディアで推しているのを見たり聞いたりしていたので、ずっと気になってました。
先日、図書館で発見したので早速借りて読んでみました。
感想としては、期待していたほどではなかったかなあ・・って。
突然始まった、となり町との戦争。
とある事から、偵察という形で戦争に参加することになった主人公。
しかし、戦争が始まっても
銃撃の音が聞こえるわけでもない。
自分が命の危険にさらされるわけでもない。
変わらない日常。
しかし、確実に増えている「戦死者」の数。
戦争のリアルを感じられないまま、戦争が行われていく日々。
それでも確実に戦争で死んでいく人がいる。
自分を助ける為に犠牲になって死んでいった人。
弟を、戦争でなくした人。
確実に何かを失い、戦争は進められている。
なのに、感じられない「リアル」
怖いですよね。
戦争なのに、戦争中だって分からないんですから。
何処かで確かに誰かが尊い命を落としているのに、自分は変わらない日常を送っていることが。
そう思いつつその痛みは全然リアルを伴っていないことが。
何かが足りない小説、という印象を受けました。
でも、その空虚に感じた部分っていうのは・・・
主人公が戦争を感じられないという気持ちと何か通じるのでは?と思えてきます。
ということは、やっぱりこの話に惹き込まれていたって事でしょうか?
ぜひ一度、読んでみてください。