14歳の冬休み、わたしはいなくなった―。大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩のすえ、衝動的に家出!その失踪先は…となりの建物!!こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが、事態は思わぬ方向に転がって…!?心からやすらげる場所を求める果敢で無敵な女の子の物語。その他うまく生きられない「僕」とやさしい幽霊の切ない一瞬、「しあわせは子猫のかたち」を収録。
乙一さんの作品です。
スニーカー文庫で書いていた頃ですね。
乙一さんといえば、初期作品に多い切ない系の物語や、最近に見るミステリー系の物語が多いですけども、この作品は、とにかく痛快で、ドキドキして、面白いんですよ。
最初から最後まで、切ないというんじゃなくて、ドキドキする。
主人公のナオが、明るい性格なんですけど、ちょっとひねくれているというか・・・
ナオの視点で物語は展開されていくので、とにかく読んでいて爽快!
衝動的に家出をしたナオが隠れた先は、なんと隣にある使用人の部屋!
自分で作った脅迫状を送りつけ、それを見て慌てふためく家族を敷地内で観察。
そのうち意外な事実が明らかになり・・・
そして、ラストでまたびっくりです。
この話と同時収録の「幸せは子猫のかたち」はもうとにかく読んでください!
挿絵付き文庫はちょっと・・・という方には、
「失はれる物語」にもこの話が収録されているので、お薦めです。
ちなみに、「しあわせは子猫のかたち」の話。
目には見えない何かと同じ家に住むことになった主人公の大学生。決してポジティブな気持ちでその家に越したわけではなかった彼が、その家で過ごしていくことで変わっていきます。
そしてその中で分かっていく真相。
切なくて、胸が締め付けられるけど・・・あったかい。
そんなお話です。
お薦めです☆