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蹴りたい背中

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第130回芥川賞受賞。愛しいよりも、いじめたいよりももっと乱暴な、この気持ち。高校に入ったばかりの"にな川"と"ハツ"はクラスの余り者同士。臆病ゆえに孤独な二人の関係のゆくえは…。

綿矢りささんの作品です。

何で今更?
って言われるの承知。

でも、インストールの時から好きだったんですよ。
だって!
1984年生まれの21歳。

同じなんですもん。
私と。

なのに、最年少で文藝賞受賞。
そして、芥川賞受賞。

凄いです。でも・・・上手いんですよね。
どんどん引き込まれてしまう。

綿矢さんの描く主人公って、何処か冷めているというか、人と同じ輪の中に入らない、入れないちょっと変わり者が多いけれど、その主人公の考え方っていうのは・・・
多分、誰もが「ああ、そういうこと、自分も思う!」って共感できちゃうんですよね。

で、まさにこの『蹴りたい背中』と言うのは、まさにその極みなのであります。

この本はちゃんと初版で買ってますが、知人に
「蹴りたい・・背中?何の本?」
と顔をしかめられたのを覚えてます。

後に芥川賞を受賞するとも知らず・・・(笑)

にな川とハツの、微妙な距離。
ハツが抱く『愛しいよりも、いじめたいよりも、もっと乱暴な』気持ち。

気付いたら一冊読み終えていて、なんとも言えない余韻が残る作品でした。


ああ私も、同じくらいに凄い話が書けたらいいのになあ。