埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのにも苦労する日々を送っていた。そんなある日、宮沢はふとしたことから新たな事業計画を思いつく。長年培ってきた足袋業者のノウハウを生かしたランニングシューズを開発してはどうか。
社内にプロジェクトチームを立ち上げ、開発に着手する宮沢。しかし、その前には様々な障壁が立ちはだかる。資金難、素材探し、困難を極めるソール(靴底)開発、大手シューズメーカーの妨害――。 チームワーク、ものづくりへの情熱、そして仲間との熱い結びつきで難局に立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。はたして、彼らに未来はあるのか?
池井戸潤さんの本です。
ドラマで毎回面白く見ていて、本もずっと読んでみたかったのですが、ようやく読めました！
やっぱり中小企業が大企業に勝つ系の話は読んでいて痛快です。
また、行田市にも馴染みがあるせいか、読んでいて楽しい。
老舗の足袋屋が、ランニングシューズを開発し、マラソン選手にその製品を履いてもらうこと。ただそれだけの挑戦が、幾人もの協力や努力を経て、実現していく様はページをめくる手が止まりません。
ドラマも下町ロケットの時と同じく、原作に忠実に敬意を払って作られているのを感じて好ましかったです。
就職活動がうまくいかなくて自暴自棄になっていた大地の成長も素晴らしいですね。
原作では元銀行マンの池井戸さんらしいラストのエピソードはドラマとは違う部分でしたが笑、ドラマを見た後でも十分に楽しめる作品でした。
「下町ロケット」が再びドラマで放送するというのが楽しみです。
（4.5点）
