時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊――。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く――。
和田竜さんの「本屋大賞」受賞作。
読みたいと思っていた本なのですが、和田さんといえば、以前読んだ作品で挫折しそうになったので、ちょっと不安もありました。
嫁の貰い手のない醜女、二十歳の「景」。
村上海賊の娘として、当時の女性らしからぬ破天荒な生き様を見せてくれます。
読み始めの歴史を背景にしたちょっと難しい展開から、この「景」が登場したあたりでぐっと読みやすくなりました。
当時、色白でおたふくのような女性が美女とされていた世の中、景はといえば、手足が長く、背も高く、色黒で目が大きい。今ではモデルとして美女の類に入るだろうと思われる容姿なのに、ひたすら醜女と呼ばれ、嫁のもらい手がないというのが不憫です。
しかしそんな景にとって、夢のような場所があるという情報を入手し・・・
次巻へ。
(3.5点)