No-music.No-life

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夢違

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夢の映像を記録した「夢札」、それを解析する「夢判断」を職業とする浩章のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する、集団白昼夢。浩章はパニックに陥った子供たちの面談に向かうが、一方で亡くなったはずの女の影に悩まされていた。日本で初めて予知夢を見ていると認められた、結衣子。災厄の夢を見た彼女は―。

恩田陸さんの本です。
 
これでこそ恩田さん!と思う作品でした。
 
思えば恩田さんは「六番目の小夜子」が好き過ぎて当初めちゃくちゃ読んでいたのですが、途中からあまり読む機会がなくなってしまった作家さん。
かなり久しぶりの恩田さんでしたが、このおどろおどろしいような、不可思議というような、不穏な中にもとにかく続きが気になるというような魅力が詰まった作風は恩田さんならではでした。
 
予知夢を見る人、その夢を解析し、夢判断の職業が存在するという未来設定も面白いですが、絶対的な予知夢を見る事ができる結衣子が生きているのか、死んでいるのか、不思議で物悲しい展開にぐいぐい引き込まれました。
 
ラストはまた何とも切ない読後感でした。
(4点)