No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

ラブ・ミー・テンダー 東京バンドワゴン

イメージ 1
 
 
日本にロックの風が吹き始めた昭和40年代。
若き日の堀田我南人の青春、そして運命の女性・秋実の出会い――

ある日のコンサート帰り、我南人はある女子高生と出会った。名は秋実。
彼女は歌手として活躍している親友・桐子の窮地を救うため、ひそかに東京に来たとのこと。
話を聞いた我南人と古書店東京バンドワゴン〉のメンバーは、彼女たちのためにひと肌脱ぐが、思いもよらぬ大騒動に発展し……?

小路幸也さんの「東京バンドワゴン」シリーズ最新刊。
 
やっぱりこのシリーズに外れはないと読む度に思います。
 
そういえば、我南人の妻であり紺と藍子の母親である秋実の話ってちゃんと語られてこなかったですよね。
今回はその秋実と堀田家の出会いから騒動を巡る一連の話でした。
 
まず良かったのは、秋実のキャラクター。
親がいなくて施設で育ってきたという孤独な人ですが、礼儀もきちんとしているし、相手を思いやる気持ちがある。そして何より問題に対して果敢に立ち向かっていく気がいがあること!
登場シーンからやけに格好良い女の子でしたが、堀田家の皆さんも相変わらず格好良いこと!
 
特に勘一の無敵ぶり(笑)
若い頃ということもあり、サチとの出会いのシーンを彷彿とさせる立ちまわりなど、読み手を楽しませてくれます。
 
若かりし頃の我南人のモテモテっぷりも良いですが、秋実と出会った事であの名台詞「ラブだねえ」が生まれたんだと思うと感慨深い限りです。
 
エピローグにちらっと紺と藍子が出てきますが、これはあくまで番外編的な位置づけですね。
 
堀田家の今がどういう風に作られてきたのか、というのを知ることができて、今回もとても楽しく読めました。
(4.5点)