新幹線に乗り遅れたと、東京駅から新潟までタクシーを飛ばした女は、好物のはずの夕食の蕎麦をなぜ残したのか?―「乗り遅れた女」。深夜タバコを買いに出、交通事故に遭った男の妻とその犯人は、なぜ監察医に会いに行ったのか?―「三分のドラマ」。もしかしたら犯人は私だったかもしれない…。
夏樹静子さんの本です。
やっぱり夏樹さん・・・上手いなあ。しみじみ。
今のところ読んできた夏樹作品に外れはなくて、今回もやっぱりそう実感しました。
人の死というものがこんな風に偶然の上に成り立っているのだとしたらとぞっとさせられた「独り旅」、「ママさんチームのアルバイト」ではどんな展開になるのかハラハラドキドキ、「あのひとの髪」は短編ながらも印象的。
後味の悪いものもありつつ、短編とは思えないほどにどの話も完成度の高いものばかりでした。
(4点)