湘南・葉山マリーナから沖縄を目指す豪華クルーザーのインディアナ0号が出港した。船のオーナーから招待を受けたのは、会社役員秘書、エッセイスト、医者、弁護士、プロゴルファーの五人。オーナーは御前崎から乗船するという……。翌朝、一人の死体が発見され、彼の干支である猿の置物が消えていたのだ!
夏樹静子さんの本です。
安定の夏樹さん、やっぱり面白いです。
これぞミステリの王道!という豪華クルーザーの中で起こる殺人劇。
登場する人達もこんな人なかなかおらんだろ、というお嬢様とかお医者さんとか弁護士とか・・・迷わず期待してしまう王道の人々(笑)
そして「そして誰もいなくなった」になぞらえた殺人劇が幕を開けます。
ちなみに私、名作と言われる本をほとんど読んでいない人で、この「そして~」も読んだことがないんです。
ただ、今邑彩さんとかこの夏樹さんもそうですけど、その本場の作品にインスピレーションを得た?作品はいくつか読んでいて、何となく雰囲気で察する事ができる感じで(雰囲気とか失礼ですけど)、犯人は一体誰なの?!と思いながら読む感じはワクワクします。
(全然犯人探しとかできない人なんですけど)
しかしこのラストを誰が想像したでしょうか!
(ネタバレ含む)
まさかこの主要人物達の誰ひとりが死んでいないだなんて・・・!
むしろ誰もいなくなってない?!と思いきや、首謀者の目論み通り、ある人物が死ぬとか・・・このパンチが聞いた皮肉な結末よ!
いやもうすっかり騙されていました。
この娘ッ子が犯人なのか?!と物語の着地点が見えないと思っていたところであの種明かし。。。
いやもう、夏樹さん流石です。
たまに読む作家さんですけど、他の作品も色々読んでみようと思います。
王道のミステリを堪能させていただきました。
(4点)