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ソロモンの偽証 後篇・裁判

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被告人大出俊次の出廷拒否により校内裁判の開廷が危ぶまれる中、神原和彦は大出の出廷に全力を尽くす。同様に藤野涼子も浅井松子の死後、沈黙を続ける三宅樹理に証人として校内裁判に出廷するよう呼び掛ける。涼子は柏木卓也が亡くなった晩、卓也の自宅に公衆電話から4回の電話があったと知り……。


監督:成島出

物凄く気になる感じで終わった前篇。
先月見たばかりですぐに後篇を見る事ができたのは幸いです。
 
公開初日の朝一の回だったので、観やすい席は軒並み通路側が空いておらず、前3列目で見る事になりました。
 
160分の超大作です。
冒頭には前篇ダイジェストも流れるので、おおよそのあらすじは掴めますが、ぜひとも前篇を見てから後篇を見てください。
 
感想・・・傑作ができたぞ、と。
 
ところどころ涙を誘うのもそうなんですけど、やはり無名の子を厳しいオーディションで採用した監督の判断にただただ感謝したい気持ち。
 
演技がたどたどしい子もいるし、柏木卓也役の子も最後の大事なシーンで噛んでたりしたものの(あれはあれで寒くて歯の根が合わないからと思えば不自然じゃない)、全体的に高いクオリティです。
 
そして原作の人物像(見た目含め)に出来る限り近づけた人選。
この見た目、雰囲気だからこそこのキャラクターが活きるんだな、と思う配役。
 
更に脇を固める俳優陣がどれも素晴らしいです。
 
樹理ちゃん樹理ちゃんと娘を溺愛し、何処までも間違った方向で娘を守ろうとするいっちゃっているイケイケな母親を演じる永作さんのある種の狂喜じみた演技。
優等生で自慢の娘が学校や親にも逆らってただただ真実をつきとめようとする姿を見て、娘の背中を押し、見守る夏川さん演じる涼子の母から滲みでる愛情。
 
そして私を何度も泣かせる松子の両親役。
特にお父さん役の塚地さん!何度私の涙腺を刺激すれば気が済むのか(笑)!
この両親が本当に一番できた親だと思います。
亡くなった娘を思って、しかし相手を憎もうとは思わず許し、受け入れようとする器の大きさ。
またその娘の松子役の子もとてもいいんですよね。亡くなってしまう役なのが悔やまれるほど。


肝心の内容ですが・・・
概ね原作に忠実。
 
大出がつるんでいる他2人は後篇では全くと言っていいほど登場しなかったり、柏木卓也の真の姿に気付いていた重要な実の兄の設定自体がカットされているため、真相のシーンで何故柏木卓也はあんなことを?という疑問が浮かんでしまうのはちょっと残念ではありますが・・・
 
中学生が裁判って、どうなのよと本を読んでいる段階では現実的にそんな中学生いるかい、と思っていた部分はあったのですが(フィクションとしては楽しめる)、映像化してみてもあ、意外としっくりくるじゃないという印象でしたね。
 
前篇のおどろおどろしいラストとは違い、真相が解明し爽やかにエンディングを迎えます。
 
160分の長さを感じさせないスピード感。
ここに傑作が誕生しました。
 
しかしヤフー映画のレビューが3点とか低くてショックです。
個人的にはかなり大満足の一本でした。
(5点)