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魔術師の視線

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ビデオジャーナリスト楠瀬薫の前に突然現れた少女。それはかつて“超能力少女”として世間を騒がせた諏訪礼だった。あの時薫の取材で姿を消した礼が今なぜ? 過去を贖うため礼を匿った薫を襲う不審な追跡者、協力する知人の怪死、大物政治家の影。本当の標的は誰なのか。礼が抱える秘密とは。二人の逃避行は想定不能の結末へ――。


本多孝好さんの本です。
 
本多さんのこういった作品は何だか久しぶりな気がします(ストレイヤーズ・クロニクルとか特殊設定だったりしますからね)。
 
「チェーン・ポイズン」は私の中で本多作品の3本指に入るほど好きな作品なのですが、それに近しいものがあったかも。
 
ユーザーレビューは賛否両論な感じでしたが、私はこの超能力嘘つき少女の諏訪礼に魅力を感じて、恐らく自分もこうなっていくのではないかという未来が想像できてしまう、薫にまた感情移入して読む事ができました。
 
前半の超能力少女の話から、政治や殺人、通り魔、ストーカー、探偵など盛りだくさんの内容なのですが、一体どう収束するのかとハラハラ。
 
最初こそとっつきにくい印象を受けたのに、いつの間にか続きが気になって仕事中にうずうずしてしまいました(笑)
 
正直なところ、薫がそこまで礼と一緒にいようとする選択をした理由が分からないというもやもや感はあったものの、このハッピーでも、しかしアンハッピーでもない結末は嫌いじゃないんですよね。
 
いや、かなり私好みの作品でした。
私は好きですね。
(4.5点)