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卍の殺人

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荻原亮子は恋人の安東匠とともに彼の実家を訪れた。その旧家は二つの棟で卍形を構成する異形の館。住人も老婆を頂点とした二つの家族に分かれ、微妙な関係を保っていた。匠はこの家との訣別を宣言するために戻ってきたのだが、次々に怪死事件が起こり…。


今邑彩さんのデビュー作。
 
かなり文章能力が高い人だと思うのですが、デビュー作でもそれはいかんなく発揮されております。
かなり読みやすいので3分の2までの怒涛の展開にぐいぐい惹きこまれて期待も高まったのですが・・・
 
最後の3分の1が尻すぼみという感じでしたね。
 
何より残念なのは、本編の前半に全く登場しない人物が探偵役となっていること。
真相を明かされる時点では犯人の目途は大体ついてしまうこと、そしてラストを読んでもなーんだかしっくりこないんですよね。何だろう?
 
今邑作品は何冊か読んで来て、かなり上手くて読みやすくて面白い作品が多い印象です。
デビュー作ならでは、という出来もある意味で斬新かもしれません。
 
でもやっぱり探偵は事件の現場にいてほしいし、ガッツリ事件に絡んでほしいかな。
(3.5点)