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四月物語

桜の花びら舞う4月、大学進学のため、生まれ故郷の北海道・旭川を離れて東京でひとり暮らしを始めた楡野卯月。彼女にとっては毎日が新鮮な驚きであり、冒険だった……。だが、彼女がこの大学を選んだのには人に言えない“不純な動機”があった……。


監督:岩井俊二


岩井俊二の最新作「ヴァンパイア」が公開されるにあたり、CS放送岩井俊二特集が放送されていたようです。
上司が録画してくれたものをお借りしました。
 
この作品、1998年のものなんですね。
恥ずかしながら、私が岩井俊二を知ったのは高校生の頃。
「リリィシュシュのすべて」でした。
この映画は後にも先にも私の映画史に大層な衝撃を与えた映画になりました。
 
それからは岩井俊二の作品を見るようになったのですが、この「四月物語」だけはまだ見た事がなく、ずっと見てみたいと思っていたのです。
 
初々しい、若かりし頃の松たか子の瑞々しい演技がいいです。
序盤からは単調で展開が見えないなあと思っていたのですが、後半の、主人公が「武蔵野」に特別な思い入れを持ち、大学を選んだ不純な動機がとても可愛らしく、雨のシーンや憧れの先輩との対話シーンなどがほっこりと幸せな気分にさせてくれます。
 
岩井俊二の、この光の使い方が溜まらんよなあ。
雨粒一つを、ここまで素敵に撮れる監督がいるだろうか。
 
赤い傘、雨粒、松たか子演じる主人公の魅力が存分に引き出されていました。
 
67分の短い映画です。
これを120分の映画にしたら、人間の汚い所や目をそむけたくなる部分も盛り込んで行かないとリアル感が出なくなってしまうのだろうけど、短い映画だからこそ、余計なものを一切省いた感じが凄く良かったです。
 
それにしてもご近所にお住まいのお姉さんが意味深過ぎました。
 
どの俳優さんも若くて今見るとまた新鮮で良かったです。
(4点)