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ツナグ

生きている者が、もう一度だけ会いたいと強く願う、すでに亡くなってしまった者。その再会の機会を設けることができる、“ツナグ”と呼ばれる使者の見習いをする高校生・歩美。ガンで逝去した母と会いたいという高慢な中年男・畠田、けんかをしたまま事故死した親友・御園に尋ねたいことがある女子高生・嵐など、さまざまな依頼人の願いをかなえる歩美。だが、死んだ者と生きる者が再び出会ってはいけないのではないか、それで両者は救われるのだろうかと考え……。


監督:平川雄一
原作:辻村深月「ツナグ」


この作品が映画化すると聞いた時は、正直なところ複雑でした。
辻村さんは私の中で本当に大好きな作家さんの一人で、先に映像化した「本日は大安なり」が個人的に微妙だったので、どうせこの作品も泣かせようって感じで見せるんだろう?とかなめ腐っていたんですね。
 
そして予告が公開されたものを見た時、やっぱり泣かせようとしている感があって嫌だなあとあまりいい印象がありませんでした。
 
それでもやはり好きな原作の映画は観に行く事に決めているので、早速見に行って参りました。
平日朝一の回ですが、一番大きいスクリーンでそこそこ埋まっていました。
しかも10代の若い子から50代60代と思われる人まで、老若男女問わずいましたね。
 
さて見終わった感想。
意外と原作に忠実で悪くなかったかな、と。
というより、出演陣の演技力の賜物だと思いますこれは。
 
樹木希林さんは、どうしたって上手いですね。
この方が出ると、マスコミも変に面白おかしく取り上げて話題になってしまいますけど(笑)、やっぱり存在感がとにかく凄い。
 
八千草さんの可愛らしさは本当に凄い。歩美の前で話す時と息子と話す時のギャップ、息子の良い所も悪い所も全面的に理解し、少し蓮っ葉な言葉を投げかける。凄い良かったなあ。
 
で、もう何が良かったって、絶賛応援中の橋本愛ですよ!
「桐島、部活辞めるってよ」の時はクールビューティー橋本愛を見せてくれましたが、今回は凄かったなあ。
親友への裏切り、後悔を全身で表現していた。顔立ちが本当に整っているだけに、狂気じみた壊れ方が痛々しいくらいでしたね。
本当にこの子は美しいわ・・・惚れ惚れ。
 
そして、松坂君。
個人的には原作のイメージの歩美とはちょっと違うんですよね。
もうちょっとチャラチャラしている感じの今時の高校生だけど、美少年系(可愛い系)をイメージしていたんですけど、松坂君は部活とかちゃんとやってそうな真面目な高校生っぽい感じ。
なので、おっさんに発破をかける時のギャップがあまり感じられなかったのは残念でしたけど、慣れない「ツナグ」を引き継ぐにあたり、戸惑い迷いながらも自分の後悔しない道を突き進んで行く姿はとても好感が持てる演技でした。
 
大野いとちゃんも良かったですねー。ふんわりほわほわしている性格の役でしたが、親友の裏切りを知った瞬間の表情の変化。上手かったです。
あと、桐谷美玲がめちゃくちゃ可愛かったです。誰だか気付かなかったです。いつもとイメージが違ってた気がします。
 
個人個人、泣けるシーンが散りばめられていましたが、涙がじわっと滲む程度で私は泣いてはいません。
が、久しぶりに他の観客がぐすぐす鼻をすすっていたり、号泣している映画だった気がします。
 
原作がとても大好きなのと、この映画もなかなか個人的には満足したので、もし続編が出た日には映画の続編も見てみたいなあと思いました。
もう少しツナグの熟練を積んで、大人になっていく歩美の姿も見たいかな。
 
あと、どうでもいいんですが・・・松坂君演じる高校生から見たら、佐藤隆太は「おっさん」なんですねえ。
私としては佐藤隆太とあまり歳が変わらないと思うので、原作を読んだ時、もっと別の人をキャスティングに想像していたんです。映画化が発表された時、「えー佐藤隆太がおっさんだなんて・・・!」とショックを受けたのは私だけでしょうか?
あと、最後に鳥羽潤の名前が出てきたのですが、何処で出演していたのか全然分からなかったんですが。。。佐藤隆太の同僚役とかですか??
誰か気付いた人がいたら教えて欲しいです。
(4点)
 
辻村深月さん原作本「ツナグ」の感想(5点満点評価)