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ヴァンパイア

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高校教師のサイモンは、アルツハイマーの母親と一緒に暮らしている。ある日、彼はウェブサイト上で、一緒に自殺してくれる仲間を探している人々が集まる自殺サイトを見ていた。サイモンは、そのサイトで血をくれる人を探していた。そんな彼は、自殺を志願する人々から“ブラッドスティーラー”や“ヴァンパイア”と呼ばれていて……。


出演:ケヴィン・ゼガーズ/アマンダ・プラマー/ケイシャ・キャッスル=ヒューズ/アデレイド・クレメンス/蒼井優 他
監督:岩井俊二


行ってきました。
実に8年ぶりになる、岩井俊二監督名義での新作映画。
 
映画を作成しているという段階からとても期待していました。
ほとんど外国人が出演している中に、大好きな蒼井優がいるのも期待に拍車をかけていましたね。
 
前売り券を購入していたので、本日午前中一番乗りでシネマライズへ。
観客は15人程度はいたでしょうか?
 
シネマライズ岩井俊二、と言うと衝撃的な出会いを果たした「リリィシュシュのすべて」を思い出します。
あの作品は後にも先にも私の中では特別な映画の一つです。
 
はてさて今回のお話は?
 
 
結論から言ってしまうと、私が苦手な分野が少し入っていたりして、自分から好んでまた見たいとは思わない感じでした。
 
エログロ系は得意ではないけど、今回はヴァンパイアということで、血を飲むシーンがあるんですね。
 
主人公サイモンの「綺麗な」採血方法と、それに反して瓶に溜めた血をごくごくと飲むシーンはかなり苦手でしたし、同じ殺人鬼でも「残虐な」採血方法を取る男のシーンは特にダメでした。
 
あと、ヒルが血を吸っているところや毛虫が映る所とか(これは虫嫌いのせいだが・笑)。
 
ただ・・・やっぱり岩井監督らしい光の加減であるとか、森のはっとするほどの美しさであるとか、そういったものは健在していて、そしてとても美しいのです。
 
また、物語も後半に至るにつれ、奇妙な美しさと狂っているのに切ないと感じる何とも不思議な感覚に包まれてきます。
 
血を求めるあまり自殺サイトで知り合った自殺志願者に、血を抜いて死ぬ方法を提案して相手を苦しめずに死なせる「ヴァンパイア」の男。
そんな男が偶然に出会った女。
 
もう少し男が女に出会うのが早かったら・・・警察官の妹の勘違い妄想突進ぶりも狂気じみているし、この妹があんなことをしなければもっと救いがあったかもしれないのに・・・・と悶々と考えてしまいました。
 
日本人からの留学生役の蒼井優、たどたどしいながら英語での台詞があります。
けれど脇役なので、台詞自体はとても少ないです。
それなのに、この方は本当に表情で演技ができる人ですよね。もう、すっごい上手いんだよなあこれが。
 
映画としては少々苦手な分野(岩井監督作だとすると、「スワロウテイル」とか。凄く美しいと思うのに、暴力シーンが多くてダメだったという)ですが、何処か美しく儚げなストーリーはじわじわと後から後から余韻が迫ります。
 
ピアノの旋律がとても美しく、岩井監督の映像と合っていました。
(4点)


ところで、期待の映画のチラシを入手しました。
 
濱田岳くん主演の「みなさん、さようなら」イメージ 2
何気に中村義洋監督なんだよね。
原作も読んだし、楽しみ。
 
こちらもかなり期待しております。
やはり主人公の男に片思する女の子の話は省かれてしまう様子(登場人物にいないので)。
 
「みなさん、さようなら」は来年公開、「ふがいない僕は空を見た」は今年11月公開予定。
 
観に行かなくてはー!