高校の屋上を愛する「屋上部」―デザイン科の辻尾アカネと校内きっての不良・国重嘉人、恋に一途な沢木淳之介、バンドマンの平原啓太―の間には、不穏な空気が漂っていた。夏休みを目前に、校内で事件が続いているのだ。ぼや騒ぎや、切り裂かれた油彩画、連続する校内暴行事件。被害者は皆、口を閉ざしているのだったが、一連の事件は国重の仕業ではないかという噂が広がった。アカネたちは真犯人探しをはじめるが、新たな被害者が出て…。『このミス』大賞シリーズ第2弾。
山下貴光さんの「屋上ミサイル」シリーズ、待望の第二巻。
非常に期待していただけに・・・あれ?という感じでした。
というのも、前半三分の一あたりから、「まだ続くの?」とだれてきている気がしたからです。
前作を読んで大分経っている事も不運でした。
屋上部の面々の性格やキャラクターなどを忘れた状態で読み進めているので、「この人ってどういうキャラだったっけ?」と思いだせないのです。
そこをいくつもの謎が出て来てその謎を解こうと屋上部のメンバーが謎解きに繰り出すのですが、どうにも回りくどく感じて、今回ばかりはあまり楽しめませんでした。
厚み的にも、前作に比べて少し薄いかな?と思うのですが、なかなか読むスピードが上がりませんでした。
大好きなシリーズの続編、というだけで期待値を上げ過ぎたのかもしれません。
いっそ、山下さんが伊坂さんの覆面作家とかだったら、多分すんなり受け入れられるかもしれないけど・・・
ここまで似通っているのは、逆にマイナスでしかない気がします。
伊坂さんだから許される節回しなんだなあと、しみじみ実感してしまいました。
(3.5点)