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水底の森㊦

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風子の逃避行は続く。犯人は果たして彼女なのか。犯した罪を償うために死に場所を探しているのか。運命に翻弄された風子の不幸な人生をたどるうちに、刑事・遠野の心の中で何かが起きる。追う者と追われる者。逃避行に行き着く先は再生か破滅か。ひとはひとりで生きるのが怖いから愛しあい、ひとりで死ぬのが怖いから愛しあうのか―。人間性の深淵を描ききる長編ミステリついに完結。


柴田よしきさんの本です。
 
はぁー・・・なんというか、切なかったです。
何でしょうね。
ほんの少し、運命が少しでも違っていたのなら、こんな悲しい結末にはならなかったのに・・・という切なさ。
完全に不幸に向かっていた訳ではなくて、一筋の光は見えていたのに、あと一歩で届くはずだったのに。。。という無念さがとにかくやりきれなかったです。
 
事件の真相にはあっと驚かされて、関わりがないと思われた人物の意外な繋がりが見えてきて、その運命を狂わせたのは、やはり風子という女の魔性なのか。
 
ただ、どうしても刑事の立場を捨てようと思うほど自暴自棄になった要の気持ちは理解できず。
人生を棒に振るくらい固執した女を結局どうすることもなく離れて、何故か風子と一緒に行く道を選んだようですが、真意がいまいち分からず。
風子サイドの話には感情移入してしまっただけに、要サイドは理解できなかったのが残念です。
 
下巻中盤~ラストにかけて、一気に読ませます。
ぜひぜひ。
(4点)