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音楽と漫画と人

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――見開き2ページで歌う、描く。
雑誌『音楽と人』(音楽と人社)で6年に渡り連載された2ページ読みきりショート作品から69作品を厳選収録!
市井の人々の平凡でドラマティックな日々を、ヒューマンコミックの名手・戸田誠二
描き出す。


戸田誠二さんの本です。
 
私、小説に比べて漫画にはそんなに熱がない人です。
好きな漫画家の作品は好んで購入しますけど、全然詳しくないし。
かと言って有名どころに手を出す程でもなく、そんなに人より漫画が好きなタイプではないと自覚しております。
 
という訳で、この本は「漫画」です。
しかし何故この作品を手に取ったのか?
 
<理由>
朝日新聞のコミック書評?に掲載されているのを読んで気になっていた。
②「音楽と人」で連載されていたものだった。
③タイトルが気になった。
 
多分、リアルタイムで「音楽と人」の連載を読んだ事があるはずなんだけど、あんまり記憶に残っていないんです。失礼ながら。
でも、音楽と漫画(私の場合は本だけど)が自分の生きる世界、生活の一部になっている人にとって、このたった2ページのショートショートが、物凄くぐっとくるのですよ!
 
やはり音楽を目指して挫折した人、目指してそこそこ頑張っている人、成功した人、音楽を心の拠り所にしている人、などショートショートの主人公達はそれぞれ立場が違っている人達なんだけど、「あー分かる」と、すとんと胸に響くこの感じ。
なんて言うのかな。
 
誰も寄せ付けない、誰とも会いたくない、という時でも、「音楽」だけは必ず傍にいて、自分を支えてくれている、っていうの?
それがたった2ページで、見事に表現されているのです。
 
小説のショートショートでは、ほとんど話に入っていけないまま終わってしまう事が私は多いのですけど(ショートショートは実は結構苦手)、本作は何度目頭が熱くなったかしれません。
 
いかんせんあまり絵は上手いとは言えない部分はあるかと思いますが、それを補う表現力・読後感は絶対だと思います。
 
落ち込んだ時に、ふと読み直したくなるような、良質な一冊でした。
ぜひぜひ。