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白鳥異伝

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遠子と小倶那は双子のように育った。都に出る日、小倶那は誓った…必ず遠子のもとに帰ると。けれども小倶那は「大蛇の剣」の主として帰り、遠子の郷をその剣で焼き滅ぼしてしまった…。「小倶那はタケルじゃ、忌むべき者じゃ」大巫女の託宣を胸に、何者にも死をもたらすという伝説の勾玉の首飾りを求めて旅立つ遠子。だが、ついに再び会う日が来たとき、遠子の目に映った小倶那の姿は…?神代から伝えられた「力」をめぐって、「輝」の未裔、「闇」の未裔の人々の選択を描く、ヤマトタケル伝説を下敷きにした壮大なファンタジー


荻原規子さんの本です。
 
最近地元の図書館にめぼしいものが置いていなくて、児童書コーナーに走ってしまいます。
荻原さんの「RDG」の4巻・5巻が読みたいけどずっと借りられている。
早く読みたいのに―といじましく思いながら、分厚いこの本を見つけました。
 
すると、あの「勾玉三部作」の二部目の作品ではないですか。
「空色勾玉」にかなり苦戦した私としては、読むのを大変躊躇ってしまうのも無理はない事。
今回はどうだろうか、恐る恐る読み始めてみると・・・・
 
面白い!
 
最初に難を言うならば、児童書とは思えぬ分厚さでして、お陰で読み終わるのに三日もかかりました(ブログの更新がなかったのはそのせいです・笑)。
しかしそれを差し引いても、今回の登場人物達はとても好ましく自分好みでしたね。
 
まず主人公の遠子の勝気で型破りで前向きで強い所。
荻原さんの「西の善き魔女」の主人公みたいな子が好きなんですね、私。
そして女好きだけど頼れる菅流のキャラクターも物語に涼しい風を運んで来てくれるような、非常に好感のもてるキャラクターでした。
 
ヤマトタケルを下敷きにした話なので、想像が膨らむのも楽しい。
 
幼い頃からずっと一緒に育ってきて、性別も関係なくいつも傍にいた二人が、あるきっかけから離れ離れになり、敵対する関係になっていく。
お互いが子供から大人になり、想いあっているというのに――運命の歯車はどうしてこうもかみ合わないのか。
 
女になる事を拒否し続けてきた遠子が、小倶那に対する気持ちに気付き、狂おしい程の気持ちにさい悩まされる様が読んでいて苦しくなるほど。
そしてそれに余りあるほど遠子を想う小倶那の気持ちも――
 
文庫版では上下巻になっているようなので、そちらで読む方が良いかもしれません。
ハードカバー版は本当に分厚いので、手に持っているのが重いんです(笑)
 
それでも、大変面白く読む事ができ満足していますけどね。