チヨ子

 

五年前に使われたきりであちこち古びてしまったピンクのウサギの着ぐるみ。大学生の「わたし」がアルバイトでそれをかぶって中から外を覗くと、周囲の人はぬいぐるみやロボットに変わり―(「チヨ子」)。表題作を含め、超常現象を題材にした珠玉のホラー&ファンタジー五編を収録。個人短編集に未収録の傑作ばかりを選りすぐり、いきなり文庫化した贅沢な一冊。

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宮部みゆきさんの本です。
いきなり文庫化！、と書店で見かけて興味があった作品だったのですが、上司が貸して下さり読むことができました。

タイトルから、なんとなくホラーをイメージしてしまったのですが、表題作の「チヨ子」はほのぼの系のSFという感じ。
ぬいぐるみやロボットに見えない人間だった親子の末路が気になります。

ミステリ、ホラーが主でしょうか。
個人的には「いしまくら」が一番好きです。
宮部さんが描く中年オヤジ。
なーんか可愛く思えるから不思議なのよね（笑）
中学生の娘を持つお父さんなんて、もう少し嫌悪感たっぷりに表現されそうなものなのに！


聖痕は救いがなく、そして難しく理解がしにくい話でしたが、強く印象に残りました。
文庫で手にとりやすいですし、これだけの内容はお得感たっぷりかと。

ぜひぜひ。