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たまたま

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美しい風景の広がるアイルランドを旅する一人の女性。その旅の中でたまたま(偶然)出会った人々や自然などを通して彼女はさまざまな感情を抱き、旅の目的を模索するようになる。年齢や性別、性格も異なるさまざまな人々と交流し、懸命に思いを伝えようとする彼女は、やがてかすかな希望を見いだしていき……。


出演:蒼井優/森山開次 他
監督・脚本:小松真弓


53分間の短い映画です。鑑賞料金も¥1,000。
蒼井優が出ているから、というだけで絶対に観に行こうと思っていた本作。
私はこの映画の存在を知らなくて、友人から聞いて知ったのですが・・・関東では渋谷のみ、期間限定レイトショーということで観る機会が持てないかも?と危惧していましたが、11時の回もあるようで朝から観に行って参りました。
 
平日朝ということもあり、大分空いていてゆったりと観る事ができました。


冒頭は、撮影のエピソードを語るような、思い出話のように蒼井優が語るシーンから始まります。
そして湖に落ち、水に触れた瞬間から自分がどこに行けばいいのか、どうすればいいのかを見失ってしまったのだ――と意味深に物語はスタートします。
 
白のワンピース・白いタイツに白い靴。
全身白の衣装を身に付けた蒼井優が、ぴょんぴょんととび跳ねるように、ここでもない、ここでもないと色々な家の玄関先に辿りついては、「違うよ」と冷たくあしらわれていきます。
ある時には、色々なものに見えてくる沢山の石を持つ少年に連れられ、ある時は切手収集の場所に迷い込み、ある時はお祭りの中で踊り――
そして空間から悲しみ、楽しみ、希望や不安を集めてキャンディーにすることができる不思議な青年と対峙するシーン。
蒼井優演じる女性から、太陽のような黄色がかった「希望」のキャンディーを作り、青年はキャンディーを女性に渡します。
そしてヘビ女とののしられる女性から、「あなたを待っていた。さあ早く言って!」と詰め寄られ・・・
最終的に辿り着いた場所は、一人の老人が住む家――
 
そこで、蒼井優が一体何を演じていたか、物語が一つに繋がった瞬間、「わっ!」と思うラストでした。
 
ネタバレですが、
つまりは、「手紙」を演じていたってことですよね?
水で滲んだ宛先、何処に辿りつくものだったのかを見失い、あそこでもない、ここでもないと色々な人の所をさまよい、違うと突っぱねられ・・・
 
だからこそ、全身白の衣装だったのかなあ、とか。
深い。
 
この監督さんの作品を見るのは多分初めてです。
とにかくとても自然で好感のもてる映像でした。
蒼井優を信頼して撮影している感じも伝わってくるし、何より自然の風景がダイレクトに見る側に伝わってきて。
 
蒼井優の少し困ったように八の字になる眉毛、くしゃっと笑顔になる瞬間、少し寂しげな表情――
凄い自然で、目が離せないほど惹きつけられたなあ。本当に可愛すぎて素敵過ぎる・・・!
低めの声がまた、良いんだよねえ。
森の中にいるシーンとか、違和感無さ過ぎて「これがまさしく森ガール!」と思いましたし。


残念だったのが、この映画のパンフレットがなかったこと。
カウンターを見てみても、パンフレットというより関連商品とサントラみたいのしかなかったのですよね。
チラシも入手しそこねてしまっただけに、それだけ悔いが残りました。
 
観客も森ガール風の子が多かったり、カップルもナチュラル系な感じの人が多かったように思います。
 
蒼井優ファンなら、絶対見るべき。
ちょっとした謎かけ的な話でもあるので、ラストで全てが繋がった時に思わず嬉しくなりました。