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奇跡

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離婚した両親がやり直し、再び家族4人で暮らす日を夢見ている航一。母親と祖父母と鹿児島で暮らしながら、福岡で父親と暮らす弟・龍之介と連絡を取っては家族を元通りにする方法に頭を悩ませる航一は、九州新幹線全線開通にまつわるうわさを聞きつけ、ある無謀な計画を立て始める――


出演:前田航基/前田旺志郎/林凌雅/永吉星之介/内田伽羅/橋本環奈/磯邊蓮登/オダギリジョー/夏川結衣/阿部寛/長沢まさみ/原田芳雄/大塚寧々/樹木希林/橋爪功 他
監督:是枝裕和
音楽・主題歌:くるり「奇跡」


兼ねてから見たいと思っていた作品。
 
「誰も知らない」「空気人形」に続き、今作で3本目の是枝作品。
過去2作品は、気持ち的に軽い気持ちで見られない感じの内容だったのですが、やはり印象に凄く残った映画だったのですよね。
それを考えると、今回は気を張らずに見る事ができる内容だったかなあと。
 
樹木希林の孫の内田伽羅が出ているということで話題になりつつ、内田裕也の一件があって曖昧になってしまった映画。
 
まえだまえだは、あんまり面白くないのに子供だから受け入れられている!という印象を私は持っていて、そんなに好きではなかったのです。
どうなのよ、このキャスティング!なんて批判的に思っていたり。
 
しかしそんな批判は、映画を観たらふっとびました。
本当の兄弟だからこその絶妙な掛け合い、雰囲気から伝わる兄弟の絆っていうんでしょうか。
「あうんの呼吸」っていうのかな?
とにかく、文句を言うなら映画を一度見てみてください!とだけ言っておきます。
 


子供二人を抱えながら定職にも付かないだらしない夫に愛想をつかした母。
両親の離婚という避けられない運命に父と弟、母と兄のそれぞれの生活を送る事になった兄弟。
 
兄は鹿児島。
弟は福岡。
 
子供の足には、この距離は大きい。
 
ある日、新幹線開通に伴って、奇跡が起こるというある噂を耳にした兄弟は――


とにかく、主演のまえだまえだ以下、子供たちの生き生きとした表情が良いです。
演技は全く上手くないと思いますが、そのぎこちなさも含めて凄く自然体で、見ていて気持ち良いくらいなんです。
 
ただがむしゃらに、起こるともしれない奇跡のために、自動販売機の下に落ちている小銭を拾い集めてみたり(子供の時に一度はやったなあ)、大切にしていた漫画やフィギアを売ってみたり。
子供だけだと、何かを売る事も親の同意書が必要で、学校をさぼるのも家族の協力が必要で(体温計摩擦で温度を上げるのとか、懐かしいなあ)、子供達が見知らぬ街を歩いているだけで警官に声を掛けられてしまったり、子供っていうのは、なんて不自由なんだろう!
 
そんな子供時代を送ってきた私達は、しかし当時の事を忘れてしまっているのです。
あんなに真っすぐ、キラキラした目をして何かに没頭できることがあったんだ!とか。
何をも疑う事なく、信じることができたんだ!とか。
 
お金もなく、誰かの助けや保護を得ないと満足に生活していけない身分。
親の身勝手で離れ離れになったり。
 
そういう不自由な部分があるからこそ、何かに向かって真っすぐに突き進んで行けるのかもしれない。
 
何だか、忘れかけていた子供心をふと思い出した映画でした。


お孫さんの内田伽羅ちゃん、良い表情をしてましたね。
ハッと目を引く容姿。
ぎこちない演技も、逆にこの役柄に馴染んでいました。
 
大人はやはり、樹木さんでしょうか。
他の俳優がかすむくらい、やっぱり存在感がありますよね。
 
そしてほぼスッピンらしい大塚寧々。個人的にはこっちの顔の方が綺麗だなあと思いました。
 
その他の方はあんまり目立ってなかったなあ。
橋爪さんや原田さんは、なんか見ていて何とも言えない気持ちになりました。
子供たちが主役の映画だから、ご老人達の動作がやけにゆっくり見えて、その対比っていうのかな、物悲しい気分にさせられてしまいました。
子供って本当に未来に溢れているんだなあって・・・・うん。しみじみ思ってしまって。


奇跡は果たして起きたのか?

(ネタバレですが)
死んだ犬が生き返りますようにと願った子供は、確実に願いが叶わなかった事を瞬時に悟ります。
そこで「やっぱり奇跡なんか起きないんだ」なんていう台詞が飛び出しそうな気がしていたのですが、もう全てを悟ったように、6年生3人組は現実を受け止めています。
これが、大人になった瞬間っていうやつなのかもしれません。
 
 
音楽を担当したくるり
散りばめられる音楽が、どれも耳に心地よいです。
挿入歌も素敵でした。
 
そしてオダギリジョー演じるバンドの前座で演奏していたバンドが気になった(笑)
音楽がいちいちギターロック好きの私の好みなんだよなー!
 
 
という訳で、感動して泣いたりは全くなかったのですが、凄く爽やかな余韻の残る映画だったと思います。
子供の無垢な表情って、見ていて気持ちが良いものなんだなあと。
 
最近のドラマでは変に大人びた悪い小学生が出てきたりしますが、この映画にそういった黒い人間は出て来ません。
だからこそ、安心して見ていられます。
 
私的には結構楽しめた映画ですが、レビューを観るとそうでもないのかな?
 
そしてこれでとりあえず、週一で映画館に通うのは終了かな(笑)
見たい映画が重なり過ぎて大変なことになってましたよ。毎回同じ映画の予告編を見なくちゃいけなかったり(笑)
 
そういえば、図書館戦争が劇場アニメ化計画が進んでいるとか?
楽しみですね!