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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん

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ある日、みーくんは暴力的でわがままだけれど、かわいくて憎めない幼なじみのまーちゃんと再会する。二人は10年前に起きた誘拐監禁事件の被害者同士で、いまだに心に癒えない深いキズを抱えていた。不気味な連続殺人事件が世間を騒がせている中、精神科医のもとを訪れたみーくんの前に刑事が姿を現し……。


主題歌:柴咲コウ「サヨナラブ」


時々気になる映画がないかとYAHOO!映画で情報収集をするのですけれど、事前のレビューで高評価だったこの映画。何となく気になっていたのです。
公開が始まってからまた見てみたら、レビューが低かったのでびっくりしました(笑)
まあ見終わってみて思いましたが、これは評価が分かれるのではないかと。
 
まず、ポップでキュートな恋愛映画、的な歌い文句で紹介されていましたが、可愛らしい恋愛映画を求める人は絶対に観ない方が良いと思います。
 
原作本も読んだことがなく(ライトノベルらしいですね)、全くの知識なしで行ったのですが、思っていたより重い話ということに驚きました。
 
まだまだ監督作品が少ない瀬田監督。
あれですね、悪くないけど決して良くはない。
 
どうしてもチープ感が漂っていて、冒頭の撮り方は癖がある感じ。
 
それでも、このチープ(ポップさを出しているのだろうか)さと残酷な過去の事件のシーンの対比がとにかく凄い。
チープでポップだからこそ、栄えるんです。
 
この映画は、①キュートでポップな恋愛②シリアスで残酷な事件③「嘘つき」みーくんと壊れたまーちゃんのちょっと変わった日常+連続通り魔事件と子供の誘拐事件が絡みあいます。
 
①については、とにかく大政絢が可愛いです。
ちょっとキツメの顔立ちで、泣いたり怒ったり笑ったり、過去の事件で心の傷を抱えた複雑な役どころ(ある意味ぶっとんだ奇人?)を見事に演じています。
 
そして染谷将太が良いです。
「嘘だけど」を連発するのですが、多分この人が言うからこそ嫌味がなくすっと入ってくる。
まーちゃんを守るべく奮闘するみーくんを自然な演技で演じています。
 
自転車を二人乗りしたり、手を繋いだり、キスしたり。今時の高校生らしくキュートなデートシーンは恥ずかしいくらいのラブラブっぷりを見せつけます。
 
②は、みーくんとまーちゃんは過去に誘拐監禁事件に遭った被害者。
その監禁されているシーンが随所随所に入りますが、とにかく・・・凄いです。残酷過ぎてもう目をそむけたくなるくらい。
まーちゃんが壊れた原因がそこに集約されている、という・・・まあこんなことがあったら、誰だって壊れますわな、というくらい残虐。
幼少時のみーくんとまーちゃんを演じる子役もまた上手いのと、チープな映像から急にシリアスに切り替わるこのシーンは、とにかくじわじわと余韻を残していくのです。
 
③そしてまーちゃんが通り魔事件の犯人なのではないか?それをみーくんがかばおうとしているのではないか?と、疑いもなく思っていたら、まさかのまさかでどんでん返しがあり、予想もしていなかったのでとにかく驚きました。
 
みーくんは「嘘つき」ということ。
それと、最初から最後まで登場人物から目を離さない事。
まさかあれとあれが繋がってああなるとは・・・


脇を支える鈴木京香さんと田畑智子さんが良かったですね。
まあ唯一有名な二人というか(笑)
 
大政さんは「ヤマトナデシコ七変化」に出ていた人、というイメージしかなかったのですが、柴咲コウっぽくて綺麗で可愛いですね。
なんて思っていたら、エンディングと挿入歌は柴咲コウが担当していました。
挿入歌(カバー)は歌声とマッチしていて良かったです。
 
それと、最近Google chromeのCMに出ている世武裕子さんが一部?音楽を担当しているらしいです。
(TVでそれを知ったのでこの映画を見たいというのがあった)
ギターロックっぽい感じの音楽が凄く格好良い。
この映画で唯一文句なしでイチオシできるのは、世武さんの音楽なのです。
 
まあ映画としては、この重さと余韻は嫌いではないです。
思っていたより重く苦しい内容ではありましたが、出演俳優と音楽は素晴らしいですし。
原作も面白そうさと思いましたし。
これは監督の力量不足、なのでしょうか。
悪くはないのですが、何かが足りない感じを受けました。