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KAGEROU

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第5回ポプラ社小説大賞受賞作。

『KAGEROU』――儚く不確かなもの。
廃墟と化したデパートの屋上遊園地のフェンス。
「かげろう」のような己の人生を閉じようとする、絶望を抱えた男。
そこに突如現れた不気味に冷笑する黒服の男。
命の十字路で二人は、ある契約を交わす。
肉体と魂を分かつものとは何か? 人を人たらしめているものは何か?
深い苦悩を抱え、主人公は終末の場所へと向かう。
そこで、彼は一つの儚き「命」と出逢い、
かつて抱いたことのない愛することの切なさを知る。
水嶋ヒロの処女作、
哀切かつ峻烈な「命」の物語。


齋藤 智裕さん基い、噂の水嶋ヒロのデビュー作。
 
本名で出したなら最後まで水嶋ヒロって名前を出さなければいいのに、と非難する気持ちがあったのは、一度なりとも小説を書いて賞に応募しようと思った事があるから。
それでも、読まずに批判するのは良くないと思っていて、図書館で予約していました。
ところが流石話題作、予約数が400件を越えていました。
気長に待つしかないかなと思っていると、上司が古本屋で購入したとのこと(笑)
借りてみました。
 
結論から言うと・・・ごめんなさい。オチが理解できなかったんですが・・・?
という訳で、ネットで調べてみた。
え?!
なんか、納得できない。
というか、最後の最後の急展開に私、完全についていけなかった。
オチでびっくりしたりすることもなく、ただ「きょとん」としてしまうかのような。
 
新聞の書評では「世間で批判されているよりは、思ったより面白く読めた」とか書いてあったから、何か良い部分があるのだろうと期待していました(少し)。
しかし、冒頭から3分の1くらい読んだ時点で、「あ、私ダメかも」と悟ったというか。
 
字の大きさや空白は、まあ新人作家のデビュー作やポプラ大賞の枠としては仕方ないと思います。少ないからこそさらっと読めるという点はいいと思うんですがね。
 
つまらないギャグの連発(しかもオヤジギャグをやたら連発する主人公の意図が全く分からず)、回りくどい表現、簡潔にまとめたらこの数ページに渡る話は数行で終わるのではないか?というくらい、とにかく癖のある文章に苦戦しました。
全く感情移入できないというか、最後の最後まで一番登場するのに何故か影が薄い存在の主人公。
個性がないというか、なんだろうな。死を決意したという割に生への執着心も死への憧れも中途半端な立ち位置になっている主人公に全く魅力を感じませんでした。
 
処女作だし、俳優が本業の人が書いた作品だし、譲歩するべき部分はあります。
俳優が書いたにしてはまとまっていたな、とは思います。
 
それでも、本気で小説を書いている人が落とされてこの作品が大賞を取ったというだけの、もっと決定的な何かを作品から感じる事ができなかった事が、私はとても残念でなりません。
 
何様のつもりだ?というくらい批判してしまいましたが、年間260冊の本を読んでいる身として言わせていただきました。
感想ですか?
「悪くないけど・・・良くもない。うーん、普通・・・?」