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インターフォン

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市営プールで見知らぬ女に声をかけられた。昔、同じ団地の役員だったという。気を許した隙、三歳の娘が誘拐された。茫然とする私に六年生の長男が「心当たりがある」と言う(表題作)。頻繁に訪れる老女の恐怖(「隣人」)、暇を持て余す主婦四人組の蠱惑(「団地妻」)等、団地のダークな人間関係を鮮やかに描いた十の傑作ミステリ。


永嶋恵美さんの本です。
 
ああ!やっぱり良い。
永嶋さんのこの何とも言えない後味の悪い作品。
たまりません。
 
淡々としているのに、読み終わった後にじわじわと怖さであるとかぞっとしたような気持であるとか、そういった恐怖が這い上がってくる。
いや、ホラーではないんです。ミステリなんですけど・・・ふっと読み終えて「意外と普通じゃん」って思って安心していたら、後からじわりと恐怖がくるみたいな、そんな不思議な余韻があります。
 
今では団地も減ってきたように思いますが、小学校の頃は団地に住んでいる友達がいて、同じ団地に住んでいる同士で仲が良かったり、何だかうらやましいと思っていましたが・・・
この作品を読んで、私には団地暮らしは無理かも!って思いました(笑)
何とも言えないネットワークというか、繋がりというか。。
 
ご近所付き合い、噂話、様々な患いがある団地を舞台にした10の話。
 
とても読みやすくて、そして読後の心地良い余韻。
永嶋さん、要注目の作家さんです!