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君に届け

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見た目が暗く周りから「貞子」と呼ばれる黒沼爽子は、クラスになじめないでいた。しかし、その外見とは裏腹にけなげで純粋な彼女に、誰からも好かれるクラスの中心的存在の風早翔太はひそかに好意を抱いていた。風早の言葉を励みに、爽子は徐々にほかのクラスメートたちと打ち解けるようになっていく――


監督:熊澤尚人
原作:椎名軽穂


原作者の椎名軽穂さんを知ったのは、「君に届け」の前に書いていた連載漫画。その連載が終わって始まったのが、この「君に届け」1巻を初めて読んだ時、あまりにも素晴らしくて何度も何度も読み返して余韻に浸っていた記憶があります。
 
爽やかで男女共に人気のある男の子。
少女漫画にはよく出てくるけど、なかなかそんな男子、実際にはいないですよね。
 
見た目が陰気でも、とても優しくて他人を思いやる心を持っている主人公。
 
設定は本当に「漫画的」なんだけど、多分こうやって何も起こらない日常を描く恋愛漫画を大人になった私たちは求めているのかも。
 
それが形になったのがこの作品で、爽子が初めて出来た友達との関係に悩み、初めて好きになった男の子への気持ちに戸惑い、初めて出来たライバルとの関係に戸惑いながら、少しずつ少しずつ成長していく姿がとても微笑ましくて、私まで応援したくなる。
 
そんな作品が多くの人に愛されない訳はなく、一躍有名になった本作。
アニメ化も思っていた以上に素晴らしく、毎回感動させられていたのですが・・・とうとう実写映画化。
 
実写映画化には期待していませんでした。
だって、実際に風早みたいな爽やかボーイを演じられる俳優なんていない!と今でも思ってますから(笑)
 
三浦春馬は好きでも嫌いでもなく、普通です。
爽やかだと思います。でも、これは「映画版の」風早なのだ、と思って割り切ってみていたので、文句は言いません。
 
多部ちゃんは個人的に最近凄く可愛いなあと思ってみていて、爽子役に決まった時はイメージ通りだなあと思ったのですが、さてさて見てみましたよ、映画。


熊澤監督は、何故か原作のある作品を作ると・・・・・・うーん、良い線いってると思うんだけどな、という感じなんですよね。
虹の女神」は名作だと思っているのですが、「DIVE!!」とか微妙だったからなあ。
「お・となり」はなかなか良かったんだけど、今一つ足りない感じ。
さて今回の「君に届け」は?と思ってお手並み拝見させていただいたのですが、、、
 
1巻~年明けの初詣の所までを、一気に駆けあがって行くようなスピード展開なので、内容を凝縮し過ぎて中途半端になってしまっている部分がとても多かった気がします。
 
そのくせ、二人が付き合うっていう所まで書いちゃうから、「え?もうそこまでいっちゃうの?」とちょっと残念な感じが。
 
だけど、爽子が実際に恋に友情に悩み、奮闘している姿があまりにも真っすぐで一生懸命なのが物凄く伝わってきて、何度泣いたかしれません(笑)
 
また多部ちゃんが笑顔になるシーンで、キュンとしてしまうんですよね。
 
むしろ、この映画では風早より爽子が爽やかに感じました。
 
 
個人的に、脇を固める役者陣の演技に拍手を。
 
特にARATAのピンの弾けっぷりは良かったですよ。ARATAは「ピンポン」とか「空気人形」と同じ人なのか?!と思わず思ってしまうくらい、かなり弾けてましたね。
そして、風早大好きジョーを演じていた、金井勇太君。
いやほんと、金井君は上手いと思う。名脇役だと思う。いつも映画で脇役として出ていると、下手したら主人公より記憶に残っていたりするのね。で、ジョーのちょっぴり「KY」な感じが最高に表現されていました。
 
蓮佛美沙子ちゃんは相変わらず白くて細いわー。
ちづのイメージが全然なかったけど、なかなか悪くない。
 
脇役で出ててもぱっと目を惹くのが、夏菜さん。
ナツナって読むんですねえ。
頼れるあやねを演じてました。
 
母親役の富田さんは綺麗というより可愛らしいし、父親役の勝村さん、娘を大事に大事に育ててきたんだなあっていうのが伝わってきて、憧れてしまいました。
 
 
まあ、原作と比べると思う部分はあるのですが、映画として見れば感動して何度も泣いてしまいました。
幅広い世代に安心して見ていただけて、そして爽やかな気持ちになれる感じは良いのかも。
 
ちなみにこのロケ地、足利だそうで。
足利と言えば、「リリィシュシュのすべて」もそうだったけど、行こうと思えば行ける距離なんだよね。
ロケ地巡りでもしてみようかしら。