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東京箱庭鉄道

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会社を辞めふらふらとフリーター生活を楽しんでいた青年・妹尾順平。突然、謎の老紳士から「東京に鉄道をこしらえてほしい」と頼まれる。資金は400億円、期間は3年以内。新手の詐欺か?不審を抱きながらも、妹尾はスタッフ探しを始めるが…。技術も知識もないふつうの青年に、鉄道を開通できるのか?そして紳士の真の思惑とは?鉄道ファンもそうでない人もみんなが楽しめる痛快ストーリー。『床下仙人』の原宏一が贈る、夢の一大エンターティンメント。


原宏一さんの本です。

原さんと言えば、先日図書館で偶然に見つけた「トイレのポツポツ」で初めて知った作家さん。
奇抜なタイトルながら、予想外に面白かったのが印象的でした。

本作もあまり期待せずに読み始めたのですが…面白かったー!

祖父の遺産であるアパートの家賃収入で生活している、セーノ。
20代にして半隠居生活のような現在の状況に危機を感じ、夜間の交通整理のアルバイトにも勤しんでいる。

ある日、初老の紳士から、「鉄道を作ってくれませんか?」という奇妙な誘いを受ける。
渡された小切手と、数十億の資金提供…

半信半疑だったセーノだったが、飲み友達のリエと、集まった仲間と共に鉄道を作るための会社を立ち上げたのだが…


単純に、それだけの話で終わらず、戦後の皇族達が辿った運命とそれに絡めたもう一つの「事件」が起こっていく展開は、非常に読んでいてわくわくしました。

リエが好きなのに今一つ踏み出せないセーノの人柄が、何より一番好感をもてました。

原さん、要注目です!