No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

武士道シックスティーン

イメージ 1
厳格な父の下で剣道一筋に生きてきた磯山香織は、負けず嫌いの中学チャンピオン。しかし、「甲本」のゼッケンをつけた同学年の剣士に敗戦を喫した香織は、「甲本」を追って名門東松学園女子高等部の剣道部に入部する。しかし、甲本は両親の離婚で苗字が西荻に変わり、剣道も腰抜けになっていた。ライバルにイラついた香織は、西荻を鍛え直そうと、父の道場で稽古をつけ始めるのだった――

監督:古厩智之


誉田哲也さん原作の本作。
めちゃくちゃはまった作品だっただけに、映画化すると聞いて嬉しくもあったのですが、同時に不安でもありました。
 
しかも、個人的に苦手な北野きいさんと、特に好きでも嫌いでもない成海さんが主演。
 
成海さんは相変わらず、気が強そうな役ばっかりになるなあ。
北野さんはやたら明るくてテンション高い感じの役ばっかりだし。
 
もう見飽きたぜ!
 
と、原作ファンからしてみると、どうしてもしっくりこなかったんですね。
 
磯山は確か早苗より背が小さかった気がするし、その時点でミスマッチだしね?
 
それに、監督が「奈緒子」であまり評価されていなかった人だし。
どうなんだろう・・・・
 
絶対微妙になる・・・・そんな思いを抱えながら、劇場公開。
 
しかし、予想に反して映画のレビューでは結構評価が高い。
これは見てみる価値ありそうかも・・・・
 
恐る恐る池袋まで足を運び、本日朝一の回で見てまいりました。


結果、
悪くなかったです。
 
予告編を見た限り、B級・・・いや、駄作の匂いがぷんぷんしていたんですよ。
 
だけど、何度も目頭が熱くなってました。
 
武士道シリーズは、最初のこのシックスティーンを読んでから大分時間が経っていたので、
そうだった!第一弾では磯山がほんとに態度がでかくて読んでてムカつくくらい嫌な奴だったんだよなあ!
というのに
実写化した本作を見て、改めて気付きました(笑)
 
眉間に皺を寄せて、大声を張り上げて鬼の形相で竹刀を打ってくる磯山香織を、成海さんは全力で演じていましたね。
 
ただ、声を低めて男言葉で、あぐらをかいたり男らしい演技を見せてくれた成海さんでしたが、どうもその演技が画一的になってしまっていて、後半は何だか物足りない感じを受けたりもして。
 
北野さんは個人的に苦手なのはやっぱり変わらないのですが、あの早苗の弱っちいようでいて、実は真っすぐな芯を持っているっていう感じを、完璧に演じていました。
 
監督の映画の撮り方はやっぱり・・・・という感じはありましたが、原作の素晴らしさと何より主演二人の存在感と演技で成り立ったんじゃないかと思われました。
 
脇役陣は・・・
早苗の姉役の波瑠さんの存在感。
 
キツイ事を言うようでいて、ちゃんと妹の事を考えてる感じが上手く伝わってきました。
 
そして香織の兄役の石黒さん。
ごくせんに出ていたイメージが強いのですが、妹を温かく見守ってフォローしてくれる所は萌えましたね。
こんな兄もいいね!
 
で、個人的に大好きな山下リオちゃん。
早苗の友人、という完全なる脇役だったのですが、主役二人より可愛くて顔ちっちゃくて、これは反則!(笑)
なんでこの子はこんなに可愛いんでしょ!


冒頭から前半は、とにかく磯山の気迫が伝わるシーン(剣道のシーン連発)が続き、スピード感がありますが、
磯山が挫折して何のために剣道をしているんだろう・・・と思い始めるあたりから、失速。
 
後半にかけてダラダラしている印象は受けたものの、
眉間に皺を寄せてしかめ面ばかりの磯山が、早苗との関わりで時折見せる笑顔や柔らかい表情には、思わずきゅんとしてしまいます。
 
実際に剣道経験を持っている人から見たら、試合のシーンなどはぬるいと思われるかもしれませんが・・・
 
美経験で実際にちゃんと見た事がない私は、単純に香織の成長物語と香織と早苗の友情物語として爽やかに観る事ができました。
 
原作の素晴らしさが100%だとしたら、映画はそれには劣るかもしれませんが・・・
 
爽やか青春スポーツ映画、ぜひご観賞ください。