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8時だョ!全員集合の作り方 ―笑いを生みだすテレビ美術―

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8時だョ!全員集合』全765回のコントセットデザインを手がけた著者が振り返る、伝説のバラエティ番組の舞台裏。名作ギャグ誕生の秘密がいま明かされる!門外不出の舞台写真、セット図面を初公開!巻末に16年間の全放映リストを収録。


山田満郎 取材・構成 加藤義彦 著。
 
今度の会社の業界について調べておこうと図書館で物色していたところ、すぐさま発見してしまった本。
 
実はドリフ好きな私なのですが、1985年で終了したこの全員集合をリアルタイムで見た記憶がありません(赤ん坊だったからね)。
 
しかし、長さんが亡くなってからは割と頻繁にテレビでも全員集合の特番をやってくれたりするので、見る機会も多いのが嬉しいところです。
先日も最後?だったのか、これで見おさめ的な感じで特番をやっていましたよね。
 
ついつい見てしまいましたが、あの当時にあれだけのクオリティで、しかも生放送であんなに大掛かりなセットや構成を成功させていたということが、信じられないと思うと同時に、ぜひとも生で見てみたかった!!!と悔しく思います。
 
本書は、セットデザイナーとして「マンロー」さんと呼ばれ、親しまれた山田満郎氏の解説と共に、大掛かりなセット図面を公開し、ドリフの写真と共に当時を振り返りながらの或る意味「ネタバレ」的な構成になっています。
 
悔しいのが、もっとちゃんと全員集合を見ていたら「あー!これはこういう仕掛けだったんだ!!」と思いながら読めただろうということ。
 
ほとんど記憶にないものばかりだったのに、これだけ「そうなんだ!」と興味深く頷きながら読めたのも、やっぱりマンローさんの仕掛けたセットの技巧がずば抜けていたからこそ!
 
50%以上もの視聴率を叩きだしていたにも関わらず、当時はバラエティ番組に携わっている人間に対して、凄く見下されていたということや、
休みを取る事によって、更に大変になるというくらいの「全員集合」の仕事(「休みを取るのがこんなに大変なら、休まずに仕事した方が良いと思ったくらいですよ(笑)」というコメントからも伺えます。
 
生放送一回きりという事で、ドリフや観客に万が一怪我をさせないように、入念なリハーサルや試行錯誤を繰り広げた舞台裏の人間達。
奇跡的にも、大事故に発展したような事はなかったというから恐れ入りますね!
 
当然起こってしまうハプニングにも、絶妙なアドリブで切り抜けるドリフターズのメンバーと舞台を作り上げる実に大勢のスタッフとの絆や信頼関係が、アナログ時代だからこその手作業だったからこそ――
 
今では見る事が出来ない大掛かりなセットに、笑いを取る事に全力を尽くしている心意気を見る事ができた思いです。
 
全然期待せずに借りた本でしたが、全員集合ファンには絶対読んで欲しい本!
ファンではなくても、当時全員集合を見ていた人や、リアルタイムで全員集合を知らない人でも、とても興味深く読める本だと思います!
 
ドリフターズ、最高です!