OL2年目で会社を辞めた芽衣子と、音楽の夢をあきらめられないフリーターの種田は不透明な未来に確信が持てず、互いに寄り添いながら東京の片隅で暮らしていた。ある日、芽衣子の一言で仲間たちと「ソラニン」という曲を書き上げた種田は、芽衣子と一緒にその曲をレコード会社に持ち込むが……。
監督:三木孝浩
先日、試写会に誘われて観て参りました。
知人から借りて読んだのが初めてでしたが、余韻が凄くて、ぜひ何度も読みたいと思って自分でも購入した作品でもあり、ほとんど少女漫画しか持っていない自分からしたら、大変珍しい事でもありました。
そんな漫画が、実写化!
正直、期待より不安の方が一杯でした。
好きな漫画が映画化・ドラマ化される事はもとより、アニメ化されることにだって或る程度の抵抗は抱くでしょう。
「君に届け」だって、アニメ化の時はドキドキしたけど、あれは原作に忠実に作ってくれているから結構好きですけど、実写化には不安を覚えますね。
と話はそれましたが、ソラニンの実写映画化。
「宮崎あおいでは、可愛すぎる・・・・」と。
芽衣子さんは、そばかすが散っていて、素朴な、なんていうか本当に普通に可愛い子という印象を受けるのだけど、皆さんはどうでしょうか?
当時は何故か薄幸の少女役が多くて、いじめられる役ばっかりでしたけど、美少女やー!!って思うくらいはっとするような魅力を持った子、そして演技力もあるから、引きつけられるんですよね。
という訳で、有名な女優が出ている映画、っていう風に、ある意味で安っぽく、大げさに宣伝されてしまうということが、私にはなんとも嫌な気持ちになるのであります(嫌いとかそういう訳ではなくてね)。
そして、何より一番衝撃だったのが、種田役の高良さん。
そして、着々と進行する映画の制作。メガネをかけた高良さんの写真も見る機会もあり、それでもずっとイメージが結びつかないままでした。
だけど、映画の予告は悪くなかったし、本編を見たらきっとそんな事はない。
ないさ!
ない・・・・はず。
鑑賞後――
メガネ男子好きとして友人の間では有名な私ですが、このメガネ男子姿の映画の中の種田を演じる高良さんに、ただの一度も萌えなかったのです。
これは、前代未聞の出来事ではないでしょうか。
むしろ、「ピンポン」のメガネ男子姿で魅了したARATAの、メガネをかけていなかった本作で萌えた私って・・・。
何だろう。
最初から最後までずっと感じ続けていた違和感は、配役にあるのかなと思ったのです。
芽衣子も種田も、芽衣子を好きになる後輩の大橋君も(もっと可愛い年下!って感じのイメージだった)、もっと言えば他のキャストも(伊藤歩さんは結構好きなのだけど、その魅力が活かされていなかった気がしました)・・・どうしても原作のイメージが強すぎて、しっくりこないまま本編が終わってしまったような感じでした。
もうビリーと加藤にしか見えなかったです(笑)
映画と原作は別物!
と、そう割り切れてしまえば良かったのですが。。
肝心の映画の感想はというと、
原作2巻分の話であるにも関わらず、展開が遅い気がしました。
原作を読んでいる人であれば、いや、読んでいるからこそそう感じたのかもしれないか。
次はこういう話になるって分かっているからこそ、遅いと感じたのか。
分かっているからこそ、なんとか把握できた話であったのか。
どう感じるかは個人によって異なるのでしょうが・・・。
あと、この映画は予告編で観るに限る!と自分は思いました。
予告編、良い感じにまとまっていて、あれで大体の話は把握できますでしょう?
そうなんです。
だって本編を見ていると、「あ、あのシーンが」「お、このシーンも」と予告で観たシーンがバンバン出てきて、だから逆に・・・長くダラダラした印象を受けたのかもしれませんね。
予告は最高だったのに本編は・・・という映画は、人のセックスを笑うなが個人的にそうだと思うんですが、この映画もまさにそうだと、自分は感じました。
そして、多分映画を見る大半の人が不安視しているであろう・・・・
宮崎あおいの歌。
あの「アースミュージック&エコロジー」のCMを、「あおいちゃん、可愛い!もっとファンになった!」と思った人であるか、」「え・・・歌、下手じゃね?ファンだったけど・・・歌はちょっと」と思った人であったかで、感想は異なるかもしれませんが、私は後者の印象を受けた人です(苦笑)。
なので、「おいおい、歌って大丈夫なのかよ?」と正直思っていました。
映画の宣伝でも、歌声のシーンだけ巧みに避けている感じではないですか。
映画を見た人が、「あのCMは・・・・だったけど、映画は普通に歌っていた」っていう意見をちらほら見かけていたので、さあお手並み拝見とばかりに鑑賞。
結論。
あのCMの歌い方は、演技だったんだ!絶対わざと、へたくそに歌っていたんだな!
と思えるくらいには、普通なんじゃないかと。
決して上手くはなかったですし、それは本人も自覚しているようだったので、まあ普通に受け止める事は出来ました。
それは原曲を歌うアジカンの楽曲が素晴らしいという事もあるのですが、その歌詞を書かれたいにおさんもそうだし、何よりギターロックとしてアレンジされているということが、私には一番嬉しかったんですよね。
原曲よりキーを高くしないと歌えない女の子っていうのにとても憧れるので(自分は大抵原曲のままで歌える・・・)、良いなあと思ったりね。
映画としては、60点評価と書いてアンケートを提出した私ではありますが、大学時代に音楽系サークルに入って楽しんでいた人であるとか、現在バンドをやっている人であるとか、毎日に何となく不安を抱きながら生きている人には、考えさせられる部分も多いかと思います。
うーん、でも原作が良いからにつきると思いました。
ただ、いかにも売れていないバンドの音楽!って感じの演奏をちらほら聞けたり(スタジオ練習や、大学時代の卒業ライブとかのシーンで)、実際にバンド活動に片足突っ込んでいる人間としては、ニヤリとさせられる部分もありました。
原作でくすりと笑えるシーンを随所に散りばめているのですが、それが実写化で成功している部分とそうでない部分があったりします。
それをどう捉えるかは鑑賞している人次第でしょうが・・・・。
批判的感想になってしまい、参考にもならないでしょうが・・・
気になると思った方は、自分の目で確かめてみてくださいね!
とりあえず、劇中で使われている音楽はとても良いです。
それを多用し過ぎている事で、うるさく感じてしまう部分が多かったのは残念。
だけど、ギターロック好きには満足していただけるだろうと。
音楽を担当しているのが、ストレイテナーのホリエさんなのだそうで。
アジカンのメインテーマと共に、耳でも楽しめる映画かもしれません。