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チッチと子

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つぎに「くる」といわれ続けて10年の万年初版作家・青田耕平は小学生の息子と二人暮らし。将来への不安は募るばかりだが、ついに直木賞の候補に選ばれる。周囲の変化に戸惑う耕平。だが一方で3年前に不可思議な交通事故で死んだ妻を忘れることができない。「あれはほんとうに事故だったのだろうか」。寂しさから逃れられない父と子がたどり着いた妻の死の真相とは。変わりゆく親子の変わらない愛情を描く、感涙の家族小説。家族の愛情が孤独な魂を包み込む渾身の感動大作。




石田衣良さんの本です。

画像検索をしていたら、この本が大絶賛されていて(読者レビューで)びっくりしました。

私はそんなに・・・ピンとこなかったせいです。

それは自分にはまだ子供がいないこと、本当に身近な人を亡くした事はないこと、自分は作家の苦労を知らないということ・・・まあそれだけじゃなくて、男性の視点からみた世界だから根本的に違うしね、っていう部分を差し引いても、うーん・・・悪くないと思うんだけど、絶賛する程の本でもないように私は思ってしまいました。

ひねくれ者の私だから、どうしてもこの息子が小学5年の割には素直な気がしてしまって。
そして石田さんには珍しく、鈍感でなよなよした感じの・・・草食系男子といっていいのか分からないですが、そういう男性が主人公ということも何となく馴染めなくて。

相変わらず登場する女性が自分の好みじゃなくて・・・(これはもう、石田さんの描く女性像が自分の好みじゃないという単純な理由ですが・笑)


いつかブレイクすると言われ続けて10年、デビュー作以来重版がかかったことがない万年売れない作家の主人公は、妻を交通事故で亡くした喪失感を抱えながら、一人息子と二人で暮らしている。

「直本賞」などとは無縁の作家だと思っていたら、とうとう初の直本賞の候補作に選ばれ――




何が悪いっていうんじゃないんです。

ただ、家族の話であればそれ一本に絞って書いても良かったんじゃないかなあって思ってしまったというか。

家族の話半分、作家の直本賞への道のりの険しさを描くの半分・・・と言った感じなので、私の中では、どうも作家が大きな賞を取るまでの険しい道のりや、いかに売れない作家は大変か、っていうような、出版の世界の裏側を見た事の興味のが勝っていましたね。


こんな風に文句をいう読者もいるけど、書く側は本当に大変なんだなあと。


そういえば次の直木賞候補に、辻村深月さんと道尾秀介さんがノミネートされていて、どちらも大好きな作家だけに・・・直木賞を取ってしまったら、めちゃくちゃ売れちゃうんだろうな・・・っていう寂しさが。
どうしても自分だけが知ってる、みたいな感覚が好きなんでしょうね。

本でも音楽でも。