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夏が僕を抱く

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ゆっくりと遠ざかり始める、夏休みの記憶と、君。淡くせつない、おさななじみとの恋を描く最新短編集。




豊島ミホさんの本です。

装丁と、タイトルが夏っぽい爽やかさと青春の甘酸っぱさが滲みだしていて良い感じ。
期待して読みました。

が、

いつものやつ、

という感じでした。
決して、駄作という感じではないのですけれども。


豊島さんの作品は、良い意味でいえば、「安心して読める本」なんですよ。
もう、構える事なく読めるというかね。

でもそれは、ちょっと物足りなくもあるのです。
言ってしまえば、なんとなく予想出来る展開、というわけでもあって。


本作のテーマは、幼馴染との淡い関係。
恋というには近すぎて、だけど微妙な距離・・・みたいな。そういう甘酸っぱさはとても良く描かれていたと思います。

しかし、豊島さんは最近若干エロに持ち込み過ぎている気がする。
単純にそういう展開になるのは、どうも予測出来過ぎてしまって・・・。

逆にそれをにおわせないストロベリー・ホープの読後感は、やっぱり豊島さんにしか描けない作品なんだと思いました。


田舎に生まれて、都会に出て、そして今休業という形で再び田舎に戻っている豊島さん。

豊島さん程、都会への憧憬や、田舎と都会の対比を丁寧にそして読者に伝えられる作者はいないと思います。
田舎者の私が言うのだから、それは間違いないです(笑)


豊島さんの作品、好きなんですけどね。
だけど最近ちょっと似たような話が多いように感じるのは気のせいではないと思います。

でも好きですから、これからも読み続けていきますけど。