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鬼の跫音(おにのあしおと)

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この世は完全犯罪だらけ。誰にも気付かれなければ、それは完全犯罪なんです鈴虫だけが知っている、過去の完全犯罪。蝶に導かれて赴いた村で起きた猟奇殺人事件。いま最も注目を集める新鋭・道尾秀介が満を持して送り出す、初の連作短編集!




道尾秀介さんの本です。

ああ!道尾さんは本当に凄い、と思った作品でした。

初の連作短編集ということで、全編が短い話なわけですが・・・欲を言えば、長編としてもっと読んでみたかった!と思ったものが多かったです。

道尾さんといえば、ミステリ、ホラー、青春モノ・・・と様々なジャンルの作品を書ける人ですが、そのほとんどにどんでん返しにつぐどんでん返し、というものが待っているわけで、「こうだと思わせておいて、どうせこうなんでしょう?」なんてタカをくくっていると、大抵足元をすくわれたりするわけです。

今作は、全て誰かを殺したりだとか死人が出る話でしたので、どちらかといえば「ホラー」に近いかもしれません。

短編だからこその、急激な話の展開からラストにかけて――ふっと、背筋が寒くなるような話も多かったので、これからの季節なかなか楽しめる作品なのではないでしょうか。

私の中では、ケモノがそういった意味で一番印象に残りました。

でもやっぱり、道尾さん作品を読むなら長編で!
最後の一冊、「カラスの親指」で全制覇です。
嬉しいけど、寂しかったりもするんですよね・・・。

道尾さんの文章、個人的にとても好きです。