視力が悪い人間である。
無論、普段は視力矯正をしなければ日常生活に差し障りがあり過ぎる。
気付いたときには1.0もなく、物心ついたときには裸眼ではほとんど見えなくなってしまった。
気付いたときには1.0もなく、物心ついたときには裸眼ではほとんど見えなくなってしまった。
コンタクトが目に合わなくなってきたのか、最近はもっぱら眼鏡を使用している。
しかし、眼鏡というのは時々肌に触れている部分が痒くなったりしないだろうか。
そして一度気になると、無性に痒くてたまらなくならないだろうか。
しかし、眼鏡というのは時々肌に触れている部分が痒くなったりしないだろうか。
そして一度気になると、無性に痒くてたまらなくならないだろうか。
そういう経緯があり、最近通勤時には敢えて裸眼でいたりする。
当然、ほぼ何も見えない。
鮮明なのはただ、道を歩いているということ。
建物にぶつからない程度には見えるのだが、道路を横断するときは、時々車が見えていなかったらどうしようと思う事もある(横断歩道を通らないので)。
鮮明なのはただ、道を歩いているということ。
建物にぶつからない程度には見えるのだが、道路を横断するときは、時々車が見えていなかったらどうしようと思う事もある(横断歩道を通らないので)。
ただ、そんな薄ぼんやりとした世界は、なかなか魅力的なのだ。
特に夜。
特に夜。
昔から、夜の街を見るとワクワクした。
父の車の助手席に乗り、闇に浮かぶわずかな明かりを車窓から眺める。
父の車の助手席に乗り、闇に浮かぶわずかな明かりを車窓から眺める。
いつもと同じ世界が、少しだけ特別なものに見えるような、そんな瞬間。
街灯の明かり、信号機の明かり、家々の明かり――色々なものが、目の悪い私には滲んで、ぼやけて、何処か幻想的に見える。
でも、今日ふと気付いた。
まるで、自分が泣いてるときの景色みたいだなと。
涙が溢れて、溢れた涙で視界が滲んで、曖昧な景色だけが残って。
涙が溢れて、溢れた涙で視界が滲んで、曖昧な景色だけが残って。
絶対的な何か、なんて存在しない。
自分の存在意義がどこにあるのかも、見出せない。
誰かにとっての、何かになりたい。
届いているはずなのに、届いている気がしない想い。
自分の存在意義がどこにあるのかも、見出せない。
誰かにとっての、何かになりたい。
届いているはずなのに、届いている気がしない想い。
様々な事が頭をかけ巡り、思い出すのはあの日の残像。
ああ、ダメだな。
残像は、すぐに消えてしまう。
曖昧で、儚くて、不確かで。
残像は、すぐに消えてしまう。
曖昧で、儚くて、不確かで。
私はこんなにダメだったかな。
最近目の前にある幸せに舞い上がっていて、不安なことを実は全部見ない振りをしてきていた。
だけど不安は消えてない。
だけど不安は消えてない。
私の瞳に映る世界。
決して明るくはない世界。
決して明るくはない世界。