No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

イキガミ

二十世紀少年を見に行こう、と誘われたのですが、断ってイキガミを見に行く事にしました。

特に期待はしていなかったのですが、少し気になる映画という印象だったので。

期待していなかったせいか、意外と良かったです。
そして、泣きました。

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「国家繁栄維持法」で千人に一人の確率で選ばれた18歳から24歳の若者の命が奪われる世界で、厚生保健省の国家公務員・藤本賢吾は、死亡予告証、通称“逝紙(イキガミ)”を死亡者に配達する仕事をしていた。しかし、死亡する人間の最期の輝きを目の当たりにした彼は、説明しがたい葛藤に苦しみ始める―


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原作は未読、予告編も見た事がなくて、全くの予備知識なしで見ました。

イメージでは、松田翔太がもっと冷酷に任務を遂行していくような男を演じているのかと思いました。
そして、暗くて重い話なのかな・・と。

確かに、「国家繁栄維持法」なんていうのはめちゃくちゃ過ぎる法律だと思う。
小学校入学と同時に予防接種を強制的に受けさせられ、その際に投入された薬の影響によって、千人に一人の割合でランダムに選ばれた18歳から24歳が、【国家の繁栄のために】死ななければならない。

その際、死亡予告証(逝紙)が国家公務員の手によって死亡予定者に届けられることになる。

たとえそれが、母子家庭に育った、一人息子であっても。また、両親を幼い頃に事故で失った兄妹の兄であっても。

イキガミが届けられた瞬間―二十四時間以内に死ぬ事が決まっているのだ―


物語は、第一章のストリートミュージシャンの話、第二章の政治家の引きこもりの息子の話、第三章が盲目の妹をもつチンピラの兄の話という構成。

特に音楽ネタに弱い私は、ストリートミュージシャンの話で涙が出ました。
演奏している音楽がまた、かなり自分のツボでした。

何より、死ぬことが分かった瞬間に一番大切なものの存在に気付いたという・・ベタなんだけど、凄く感情移入してしまって・・泣きましたね。


しかし・・
第二章と第三章が同時進行に始まった事により、一種の混乱が。

個人的に、第二章はカットしても良かったんじゃないかなと思いました。
むしろ、第三章をもう少し丁寧に描いてくれても良かったんじゃないかなあと。

でも、山田孝之のチンピラ役には驚きました。
ものっすごいもっさい感じになってたんですけど、優等生なイメージ(あと学生のイメージが強かったり、「白夜行」を見たばっかりだからかもしれないですけど)があったので、演技の幅広さにも関心しました。

成海璃子も盲目の少女役が上手かったです。


ただ、主人公であるはずの松田翔太の印象が薄く感じたのは気のせいでしょうか。

任務に対して葛藤するという人間らしい部分を持った普通の青年。
自分自信は死の運命から逃れることが出来た。そしてその運命を持ったものにイキガミを届ける仕事をすることの疑問・・

葛藤しているのは伝わってきたのですが、それからどうなったの?という要の部分が描かれていないのが消化不良だったかな。

でも、続編も作れそうな気配で。

兄の龍平氏悪夢探偵もはまり役で、続編も決まっているし、この映画でもどうでしょう?

今度はもうちょっと主人公にスポットを当てて欲しいですね。


余談ですが・・
松田翔太の顔がとても苦手だと思ってました。

でも、案外受け止められている自分が。
篤姫を観ているせいでしょうか?笑